異業種への転職で活路 「普通に生きられることへの感謝」がキャリアアップの原動力に

河内啓太さん

転職でキャリアアップを目指す人も多い昨今ですが、元いた職業から新たな分野に転身して道を切り開くケースも見られます。

その1人、クレジットカード会社に勤める河内啓太さん。「もともとはアパレルが大好き。洋服屋で独立したいというのが、小さい頃からの夢だった」なか、その夢実現へ、当初はアパレル関連の会社に就職していました。しかし、働くうちに「『洋服で人が本当に幸せになっているのか?』と悟りに入ってしまった」と、異業種への挑戦を決意します。

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転職活動をするなか、転職サイトで見つけたのが、大手外資系クレジットカード会社の法人営業に関する募集案内。「金融なら、お客さんに会うときに業種を選ばないなと思ったのと、クレジットカードは誰でも知っているし、誰でも使っているので、(顧客に)会いやすい。しかも法人カードの営業だったので、法人の社長さんに会える」と、様々なジャンルのトップに会えるという仕事の魅力にひかれたそうです。

募集要項には『法人営業経験5年』『英語が使えること』など条件が並べられていましたが、「自分には何ひとつなかった」と、全くの未経験の分野。それでもあきらめず、自信を持って面接に挑んだといいます。「『前職でこういうふうに働いていたので、御社でも絶対に結果を出せます!』と、仕事のプロセスやビジョン、ミッションバリューなどをいろいろ話した」。

その熱意が採用担当者に響き、「『よく分からないけど、なんか売れそうだわ』とチャレンジ採用でとっていただけた」。河内さんは同社で入社1年目にして営業件数や売上高の全国1位に。「ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、上司からは『おまえを採用して良かったよ!』と言われたのもうれしかった」。

業界未経験からのチャレンジを経て、現在はアメリカ発の富裕層向けクレジットカード会社に移り、「営業本部ダイレクトセールス部長」として、同社の関西進出にあわせて大阪での業務にまい進しています。

精力的に働く河内さんですが、その原動力となっているのは、幼少期に起こった家族の病と、そこから得た「学び」だと明かします。

「僕が7歳の頃に父が病に倒れて、入院期間がすごく長くて、父親ができることがすごく少なかったんです。それを見ていて、普通に、五体満足で生きていることへの感謝というのを毎日感じていましたね。いやなことがあっても、いやだなと感じられることとか、その打開策を自分で講じられることなども含めて。いま目の前に仕事があって、それに対して頑張っていけることに対しても、すごく感謝しています」

「生きていて、いやなことは本当にない。楽しいですし。ポジティブだと、誰からも言われます」と、常に前を向いて歩みを続ける河内さん。現在、営業活動のベースとしている関西では、人の魅力を痛感していると語ります。

「関西はとても面白い場所で『このまま一緒にごはん行くぞ!』とフランクに誘っていただけるんです。関東だと『ぜひ今度ご一緒にお食事でも行きましょう』と握手しても、そこから実際にアクションが起きることはなかなかないのですが、関西だと『今日どこ泊まってるの?』『夜は空いてる?』『ご飯に行こうよ!』と。そこでもいろんな話を聞いて勉強させてもらっています」

今年1月に大阪支社を立ち上げて、まもなく半年になるという河内さん。学生時代にサッカーで鍛えあげた心身をいかしつつ、営業先で出会う経営者のコミュニティーにも積極的に入っていくなど、開拓を続けるなか、「これから関西地域では、いまの10~20倍の活動を見越してやっている」と、さらなる奮闘を誓っていました。

※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2024年6月10日放送回より

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