オリックス高島泰都、先発専念も視野に初勝利狙う。飛躍へのカギは「今は変化球よりもまっすぐを磨く」【オリ熱コラム2024】

2023年ドラフト5位でオリックス入りした社会人ルーキー高島泰都が、1年目から役割を問わずフル回転している。交流戦終了までに13試合に登板し、3試合に先発。いまだ白星はないが4ホールドを記録し、防御率は3.86。今季のオリックスには先発にもリリーフにも故障離脱の選手が続出しており、入団時から「前でも中でも後ろでもできます。それでやって来たので」と話していた高島の存在は、データだけでは測りきれないほど大きい。

直近の先発は6月6日のDeNA戦。前日には「特に何も言われてないんで、自分の中では行けるとこまで行けたらいいなと思ってます」と話し、ただ、4回を4安打1失点とある程度試合を作り、「初回に先制点を許してしまいましたが、2回以降は粘り強く投げることができたと思いますし、自分の役割という部分では、なんとか最低限は果たせたのかなと思います」と安堵した様子だった。降板後に味方が逆転勝ちを収めたためだけに、やはり数字以上に大きく貢献したと言えるだろう。

その後高島は、ファームでも6月13日に先発。こちらは7回途中で4安打2失点と、先発としての適正を充分に発揮してみせた。コーチから「しっかり球数投げてきて」と言われた通り93球を投げ込み、「そんな悪くはなかった」と本人も手ごたえを感じているようだ。次に一軍で登板する際はブルペンデーではなく、先発の一角として登板する可能性も出てきた。
ルーキーイヤーから先発と中継ぎの双方を経験していることで調整の苦労もあったそうだが、シーズンが進むに連れてそれも解消しつつある。「先発か中継きかの行ったり来たりなんで、特に 先発の時はしっかり準備期間があるんですけど、中継ぎの時はどんだけ疲れをとるかみたいな感じでやってます」と役割ごとの調整法の違いについて話してくれた。普段は「寮のサウナに入ってリラックス」するのも秘訣だという。

「まっすぐが良くないと変化球も生きてこないので、いちばんは真っ直ぐを投げ切ること。右バッターのインコースにしっかり真っ直ぐを投げれるようになりたい。1試合1試合課題を持ってゾーンに投げ込んでいく。今は変化球を磨くよりもまっすぐですね」とストレートの制球力を課題に挙げ、さらなる進境を目指す高島。「自分が行き詰まった時にアドバイスをもらえる人がいるのは大きい」と、周囲からの助言も成長に生かすつもりだ。今後は離脱組が次々に戦線復帰することが予想されるが、プロ初勝利も早く見たいところだ。

取材⚫︎どら増田/野口航志(DsStyle)
文⚫︎THE DIGEST取材班
写真⚫︎野口航志(DsStyle)

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