コメが品薄!高い!「これで1人前… 赤字ですよ」 大盛り店からは悲鳴 広島のお米事情

ことしは去年と比べコメの在庫が少ない状況が続いています。このため、コメの価格も高騰しています。広島で現状を取材しました。

大盛ご飯の幕の内弁当に長浜ラーメンがついた「満腹らーめん定食」990円。ランチタイムの人気メニューです。

お客さん
「山盛りでした。フタが閉まっていなかった。今、物価高なので、これだけ食べられたらうれしいです」

広島市安佐南区にある創業26年の「曼陀羅」は、テレビでもたびたび取り上げられ、行列のできる人気店です。

お客さんたち
「1回来たら並んでたので出直しました。食べきれるかなという感じです」
「想像の倍はありますね。ご飯の量とトンカツとラーメンで990円は考えられないですね」

ランチ用にお米を5升炊くそうです。さらにコメ3合を使った「バクダンむすび」はこの大きさで550円。人気メニューの1つです。

曼陀羅 西村一 店長
「これで1人前なんですよ。赤字ですよ。コメの値段は2週間前くらいから1000円上がっています。同じような値段だったんですよ。何回も買っていたが、なんか最近、軽いなと思って見たら10キロが8キロになっていて、実質、値上げだった」

― お客さんから「コメが値上がりして大変だね」という声は?
「一言もないですね。安く仕入れとるんだろうくらいしか思ってないんだろうけど」

野菜や燃料費なども高値が続きましたが、コメの値上げ幅が最も大きいそうです。

曼陀羅 西村一 店長
「量を減したらお店のイメージが全然崩れるので、値上げと量を減らすのは考えていない。でも、本当にやばいですよね。今の状態だったら、いつ値段が下がるか。心配で、梅雨になって、また出来が悪かったりとかなったら、もう困るし」

創業73年、広島市内の小売店や飲食店に米を卸している仲卸業の「水主町食糧企業組合」です。

水主町食糧企業組合 國弘純哉 営業部長
「去年はこの線まで、お客さまがいない時はここくらいまでは玄米を持っていって、精米させていただいてましたけど、現状、コメが入りづらい。コメ不足っていう影響で今、これだけしか精米することできないっていう状態です」

コメの入荷が去年より3割~4割減っているそうです。去年の猛暑による不作のほか、コロナ禍の影響も出ているということです。

水主町食糧企業組合 國弘純哉 営業部長
「急激なコロナからの回復もあって、コロナで余っていたお米が全部消費に回っていって、それが前倒しになってくると、それが今、しわ寄せになっている。回転ずしが日本の文化としてあれだけ海外の方が来られて消費されていくので、悪いことではないんですけど、そちらに回るお米がやっぱり多いのではないか」

価格も1.3倍~1.4倍に―。入社して20年、ここまでコメが高いのは初めてだと話します。

水主町食糧企業組合 國弘純哉 営業部長
「こういう(品薄・高値)状態っていうのは、新米が出るまでは変わることがないと思っています。あと3か月、4か月すれば日本のおいしいお米ができますので、それまではなんとか耐えようと」

― 消費者も飲食店も大変。閉店したお米屋さんやご飯お替わりサービスを止めた店もあります。一方で、県は「新潟産のコシヒカリなど一部産地で不作だった影響は出ているが、コメ全体としては在庫はあるので落ち着いて対応してほしい」としています。ことしの新米が出回る9月までは高値が続くのではないかということでした。これからの天候の影響も心配されますが、ことしの新米にも期待したいです。

© 株式会社中国放送