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鹿児島県知事選への投票を呼びかけるポスター。
20日、告示と同時に貼り出される予定だったが、急きょ差し替えになった。
理由は、うっかりミスだった。
都知事選と同じく、七夕決戦となった県知事選を前に鹿児島県選挙管理委員会は、投票を呼びかける動画やポスターを作成した。
問題になったのは、言葉の使い方。
「知事って、誰でもいい?…わけない!!」とのキャッチコピーと共に、犬など架空の立候補者の画像が並んでいる。
抗議を受けたのは「おやじギャグ知事」や「犬知事バーチャル知事」ではなく、「他力本願知事」の部分だった。
鹿児島県選挙管理委員会事務局の担当者:
「他力本願」という言葉は「専ら他人の力を当てにすること」「他人任せにすること」という意味で使用した。「こんな知事には鹿児島県を任せておけない」と思ってしまうような、頼りない架空の知事、キャラクターとして表現する意図で使用した。
すべてを「他人任せにする知事」という意味で作ったという「他力本願知事」。
鹿児島県選挙管理委員会事務局の担当者:
「他力本願」という言葉を使用したが、本来の仏教上の意味合いに照らしたときに、「言葉の使い方が適切ではない」という趣旨の指摘を受けた。
抗議したのは、浄土真宗、本願寺鹿児島別院。
寺の関係者は、理由について、「『他力本願』とは浄土真宗の中でも柱となる大事な言葉。間違った意味で否定的に使われるのは本意ではなく、見過ごすことはできない」と説明した。
この関係者によると、「他力」とは他人の力ではなく、仏様の願い・思いのこと。
つまり他力本願とは、「仏様が人々を救おうと導いてくれる」という言葉。
それにもかかわらず、ネガティブな意味で使われたため抗議したという。
この騒動に鹿児島県の有権者からは、「意味をわかっている人がいなかったんじゃないか、選挙管理委員会に」「難しい。言葉って生き物だから、意味が変わっていっている」といった声が上がった。
選挙管理委員会によると、160枚ほど刷っていたポスターだけでなく動画も「人まかせ知事」に変更した上で、「今回のことを踏まえ、これまで以上に表現などに留意していく」としている。