【MLBデータ】日本人投手のメジャー最多奪三振ランキング

古くはサイ・ヤング、ノーラン・ライアン、ランディ・ジョンソン、最近ではジャスティン・バーランダーなど、メジャー屈指の名投手は「奪三振王」の称号も勝ち取っている。日本人投手はどうか?最多奪三振のタイトルに輝いた日本人投手は2名、野茂英雄(1995、2001)とダルビッシュ有(2013)が栄誉に輝いている。通算1,000、2,000奪三振と大きな区切りが間もなくの日本人投手もいる。今回は日本人投手のメジャー通算奪三振数にスポットを当て、その上位5人をランキング形式で紐解いていきたい。

【MLBデータコラム】日本人投手1年目の成績は?

まずは、6位-10位まで。大谷翔平は今年は投手の稼働はナシで、来年以降の活躍に期待したい。

【6位―10位】
6位:松坂 大輔
通算奪三振数:720(56勝43敗 防御率4.45)

7位:岩隈 久志
通算奪三振数:714(63勝39敗 防御率3.42)

8位:菊池 雄星
通算奪三振数:714(36勝43敗 防御率4.59)

9位:大谷 翔平
通算奪三振数:608(38勝19敗 防御率3.01)

10位:大家 友和
通算奪三振数:590(51勝68敗 防御率4.26)

続いて、上位5人を5位からお届け。

5位:黒田 博樹 通算奪三振数:986(79勝79敗 防御率3.45)
2008年に海を渡り、7年間で所属したチームはドジャースとヤンキースという名門。非常に高いレベルのピッチングが求められるなかで、黒田は確実に実績を積んでいった。デビュー年にいきなり116三振を奪うと、2年目の2009年は87奪三振に終わるも、その後は150奪三振前後と毎シーズンハイレベルな数字を記録した。黒田の最大の強みは、優れた制球力とツーシームを主体とした多彩な変化球、そして戦術的なアプローチであった。

4位:前田 健太 通算奪三振数:987(67勝52敗 防御率4.03)
黒田に続き、広島カープからドジャースにたどり着いた日本のエースは、多彩な変化球を持ち、それを巧みに操ることで多くの打者を三振に仕留めてきた。当初スライダーを決め球にし、初年度から179個の奪三振を稼ぎ、チームに16勝をもたらした。研究熱心な前田健太は、その後チェンジアップを決め球にするなど、年々進化を続けている。1,000奪三振の大台まであと少しだ。

3位:田中 将大 通算奪三振数:991(78勝46敗 防御率3.74)
楽天所属時、2013年の24勝0敗という大記録を手土産にヤンキース入りした右腕。2011年に241奪三振(ちなみにこの年の奪三振数トップはダルビッシュ有の276)を記録するなど、奪三振数も際立っていたが、その実力はメジャーに行ってもいかんなく発揮され、デビューイヤーの2014年に141奪三振、2017年には194奪三振を記録した。

2位:野茂 英雄 通算奪三振数:1,918(123勝109敗 防御率4.24)
日本人投手として初めてMLBで大成功を収めた野茂英雄。ドジャース時代の1995年、デビュー年にも関わらず236奪三振を記録すると、16勝を挙げた1996年には234奪三振、翌1997年にも233奪三振と、3年連続で200以上の奪三振を挙げる。その後も毎年のようにチームを移籍するが安定したピッチングで、9年連続160以上の三振を記録した。野茂と言えばフォークボール。そのスピンとリリースポイントの巧妙な組み合わせによって生み出された野茂のフォークボールは、打者にとって球のリリースから途中まではストレートのように見え、急に沈むため対応が難しく、彼の奪三振数を支える主な要因となった。

1位:ダルビッシュ 有 通算奪三振数:1,982(107勝88敗 防御率3.58)
多彩な変化球と圧倒的な奪三振能力で知られるメジャーを代表する右腕。2012年にテキサス・レンジャーズでデビューし、いきなり221奪三振を挙げると、翌年2013年にはリーグ最多となる277奪三振を記録し、サイ・ヤング賞の投票で惜しくも2位となるなど高い評価を受けた。スライダー、カットボール、カーブ、ナックル、スプリットなど、あらゆる球種を使いこなすそのピッチングスタイルで、カブス時代の2019年にも229奪三振と200奪三振を超え。パドレス移籍後も2021年に199奪三振、2022年にも197奪三振を挙げるなど、常に高いレベルで安定している。2,000奪三振も見える位置におり、今後もさらなる記録更新が期待される。

【MLBデータコラム】「スピードスター」は誰か、日本人選手メジャー盗塁ランキング

これらの投手たちは、メジャーにおいてもその技術と精神力を発揮し、多くの三振を奪うことで大きな成果を上げたが、それは日本時代の実績に甘えず、さらなる武器を会得した結果、輝きを放ったということを忘れてはいけないだろう。また、このランキングに、山本由伸や今永昇太の新星たちが加わってくるかも期待したい。

(SDAA編集部)

※)日本時間2024年6月21日時点

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