なぜ?和菓子店がベトナム料理カフェ開店 縁を結んだのは「月餅」=静岡

静岡県内でも有数の和菓子店が6月19日、静岡市に「ベトナム料理」のカフェをオープンさせました。和菓子とベトナム料理、一見関係ないように思えますが、そこには菓子店らしいある戦略がありました。

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6月19日、静岡市にオープンした「Vietnamdeli Coffee」。ベトナムの国民食「フォー」やサンドイッチの「バインミー」が看板メニューのカフェで、現地の人からも認められたという本場の味を楽しめます。

<客>
「さっぱりしていておいしいです。レモンを絞るとよりさっぱり感が出てすごく食べやすいです」

店を始めたのは、静岡県富士市に本社を置く「田子の月」。和菓子の印象が強い「田子の月」がなぜ、ベトナム料理なのか。きっかけは、あるお菓子の注文でした。

<田子の月 牧田桂輔取締役社長>
「(ベトナム食材を扱う企業から)ベトナムでよく食べられている月餅のお菓子を作ってほしいというご相談だった(のがきっかけ)」

中国を代表するお菓子「月餅」。ベトナムでも、この「月餅」を食べる文化があるといいます。これを作ってほしいというのです。

<田子の月 牧田桂輔取締役社長>
「(月餅を使って)国内、それからベトナムに向けて今後発信していければいいなと」

ベトナム料理カフェのオープンは、将来のベトナム進出を視野に入れた一手なのです。「田子の月」では、2年前からベトナム人技能実習生を受け入れています。

<ユエンさん>
「ベトナムで仕事は探しにくい。日本で長く働きたい」

実はいま、静岡県内に住むベトナム出身者が増えています。10年前、3000人に満たなかったのが、現在では1万6000人を超え、ブラジル、フィリピンに次ぐ3番目に多い国となりました。いまや、ベトナム出身者が貴重な労働力となっているのです。

<田子の月 四條恒一工場長>
「この子たちの素晴らしいと思うのは勤勉でまじめでどんどん自分から学ぼうと、成長する速度が速い」

お菓子が生んだ静岡とベトナムの縁。和菓子の名店は、未来を見据えます。

<田子の月 牧田桂輔取締役社長>
「ベトナムをきっかけにしながら、海外で和菓子とかあんこのお菓子がどれだけ広がりが出るのか、可能性があるのかっていうものを探っていきたい」

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