川口春奈『9ボーダー』最終回で『366日』との“記憶喪失かぶり”が仇に…前カノと今カノの残酷な対比で嫌われた主人公

川口春奈・広瀬アリス

6月21日、川口春奈(29)主演の連続ドラマ『9ボーダー』(TBS系/金曜よる10時)が最終回(第10話)を迎えるが、ここにきて主人公・大庭七苗(川口)に対する視聴者の評価が落ちている。

松下洸平(37)演じるコウタロウの正体が明らかに。彼は神戸の不動産会社「アーバンシティクロス」副社長・芝田悠斗で、おおば湯がある商店街を買収するため東京に出張に来た際に事故に遭い、記憶喪失になっていたという。さらに、婚約者・酒井百合子(大政絢/33)が登場し、七苗とコウタロウがどうなるか注目が集まるがーー。

6月14日放送の第9話は、家族たちのもとに帰るコウタロウへの想いが立ちきれず、七苗は高速バスに飛び乗って神戸に向かう。その夜、家族に再会したコウタロウは、記憶は戻らないながらも百合子の献身的なサポートを受け、副社長の仕事に復帰することに。翌朝、七苗がコウタロウに会うために会社に行くと、スーツ姿の彼を発見する。

しかし、七苗は声をかけることができず。そんな彼女に百合子が声をかけ、記憶はまだ戻っておらず、来週精密検査を受けることになったと告げる。そして、百合子は七苗に感謝を伝えると、そっとしておいてほしいと深々と頭を下げた。大庭家に戻ると、七苗は自分と住む世界が違いすぎたと明かし、「好きにならなきゃよかった」と言うが……という展開。

かなり切ない立場にある七苗。しかし、X(旧ツイッター)では、《勇気出して神戸まで追いかけておきながら、婚約者にああいう風に言われることくらい簡単に想像出来ただろうに》《婚約者の大政絢から松下洸平を奪う主人公至上主義なラストだけはやめて欲しい》などと、婚約者に同情する声がある一方で、七苗への評価は手厳しい。

■『9ボーダー』と『366日』は合わせ鏡

「おそらく、今期放送中で“記憶喪失かぶり”している月9ドラマ『366日』(フジテレビ系)の影響が大きいです。『366日』は遥斗(眞栄田郷敦/24)が記憶を失くす以前の描写をやたら流し、お互いを苦しめないために別れてしまった前カノ、主人公・明日香(広瀬アリス/29)の切なさをメインに描いてきました。

一方で『9ボーダー』は、今カノの七苗(川口)の恋心をメインに描かれていますが、『366日』も見ている視聴者は、『366日』の前カノ、明日香の気持ちがしみこんでいるので、『9ボーダー』の前カノである婚約者・百合子(大政)の描かれていない切なさも分かってしまう。そのため、今カノの七苗に思い入れしにくくなっているんです。まるで合わせ鏡のような2作でしたが、その影響は大きいと思います」(ドラマライター/ヤマカワ)

そうなると、どちらとくっついても、視聴者は釈然としないかもしれないがーー。

「もし『366日』がなかったら見え方も変わり、七苗を応援する気持ちになれたかもしれません。平均世帯視聴率も5.0%前後を行き来するレベルに低迷しており(ビデオリサーチ調べ/関東地区)、偶然とはいえ、“記憶喪失かぶり”が『9ボーダー』に与えた影響は、思った以上に大きいのではないでしょうか」(前同)

本作は、ボーダー(各年代の“大台”を迎える前のラストイヤー)を越えて、自分の生きる道を模索していくのがメインテーマ。七苗がコウタロウとすっきり別れて強く生きていくというラストなら、視聴者も納得するだろうか。どんな結末を迎えるのか注目したい。

© 株式会社双葉社