阪神OBの中田良弘氏「大山が本来の姿で戻ってきた収穫」

 2回、右前打を放つ大山(撮影・北村雅宏)

 「阪神1-0DeNA」(21日、甲子園球場)

 阪神が2戦連続のサヨナラ勝ち。今季4度目の3連勝を決めた。

 この勝利は大きいが、デイリースポーツ評論家・中田良弘氏は投手目線から、直接勝敗の得点には絡まなかったが、大山がしっかりと存在感を示したことを大いに評価した。

 大山は復帰戦でいきなり第1、第2打席と安打を記録。中田氏は「スイングが速くなったように見えるでしょう」と指摘する。

 それは、実際のスイングスピードというより、打席での姿勢によるものが大きいとも。

 「本来、大山はファーストストライクからでもどんどん振っていくタイプ。ただ今シーズンは、甘い球も見逃す場面が多かった。ところがこの試合では、若いカウントから振りにいってたでしょう。その気持ちが、スイングを速く見せるんですよ」

 もう一つの特徴は、速球に対する強みだった。「最初の2安打がいずれも150キロを超える直球を捉えたものだから。戻ってきている、という印象があるね」と中田氏。

 昨年はポイントゲッターでもあり、また多くの四球を選ぶことでつなぎの打線のキーマンともなった。この点は「やっぱり、積極性なんですよ。若いカウントからどんどん振っていけば、相手投手はどうしてもボールから入りたくなる。大山に有利なカウントとなった挙げ句の四球、というのが多かった。この日のような姿勢でいられれば、四球も増えてくるでしょう」と評価した。

 これにより「4番がどっしりとする打線が組める。そうすれば、近本、中野の1、2番はもっと機能する。『いつまで続くんだろう』と思わせた打線の不調から脱する、兆しが見えた試合じゃないかな」と、ここからの反攻に期待を寄せていた。

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