「HEAVEN SEEKER コノ残酷ナ世界ノ救イ方」レビュー:弾幕シューティングに匹敵する敵弾が飛び交うドットローグライト

本日6月21日に製品版が配信されたツインスティック・ローグライトシューティング「HEAVEN SEEKER コノ残酷ナ世界ノ救イ方」のレビューをお届けする。

本作は、サクセスが制作したドットテイストのローグライトシューティング。PC(Steam)でプロローグ版が無料配信されていたが、本日6月21日から製品版の配信が開始された。本記事では製品版をプレイした様子をお届けする。

■限られた枠でショット強化する取捨選択型ローグライト

ローグライトにはさまざまなジャンルがあるが、本作は入るたびに構造が変化するランダム生成のダンジョンの最奥を目指すのを目標に、360度に撃てる魔法のショットを駆使したシューティング要素が特徴のタイトルだ。

オーソドックスな魔法弾や連射性能の高いクナイ型、単発威力の高いアロー型とキャラによってショットが固定となっており、これをベースにダンジョン内にある宝箱やショップからアイテムを取得して性能を強化・変化させていく。

内容は「弾が巨大化し威力アップ」「ショットが3方向に分かれる」といったものがあり、ショットに付与できるアイテム数が決まっているので無尽蔵にアイテムを取得してショットの性能がハチャメチャになっていくタイプではなく、自分好みの性能に近付ける取捨選択型のローグライトと言える。

ステージのクリア数やゲーム内で獲得したスコアに応じて、キャラやショットを強化する新しいアイテムやアクセサリがアンロックされていく。

また、「敵を〇〇体倒す」や「ショップでアイテムを〇〇回購入する」といったサブクエストがあり、クリアに応じて最大HPやボムの数を上昇させるステータス強化の項目もアンロックされる。やり込みでゲームの奥行きが広がっていくのもローグライトお馴染みの要素だ。

1ステージ1ボスと、ローグライトとしてはかなりシンプル。道中の小部屋に敵が複数回出現し、全滅させると先に進めるといった流れになっている。ステージが進むとダンジョンが複雑化し、小部屋の数も増えていく。敵を全滅させると宝箱が出現することがあるほか、宝箱のみの部屋、そしてショップがある部屋もあり、ショット強化のチャンスは多い。

ちなみに敵の撃破でコインが入手でき、それでショップを利用可能。コインは次回の冒険には持ち越せないので、気兼ねなく使用できるのは嬉しい点だ。

冒険から持ち帰れるものはなく、ゲームオーバー時に獲得したスコアが生産され新しい要素がアンロックされるのみ。そういった点ではデスのデメリットがなく、かなり気楽なローグライトとなっている。

■弾幕シューティングさながらの弾の圧と見極め術がカギ

一方で敵の弾が360度、四方八方から飛んでくる。この密度はステージが進むにつれて高くなっていき、後半では弾幕シューティングばりの弾密度を放ってくるほどだ。とくにボス戦ではドット避けが必要になるほど弾が多く、自身のショットの方向やマナ残量を見つつ、敵弾を見切っていく様子は弾幕ゲーさながら。

加えて落下する奈落に起爆するタルなど、被ダメージの要素は至る所に存在する。1ステージ1ボスのシンプルな構成ながらなかなか忙しく、素早く的確な状況判断が求められる難易度だ。

敵弾は、一般的なシューティングのように自機周辺に発生するボムでかき消すことが可能。また、ローリングのような緊急回避・ドッジに長い無敵が存在するので、敵弾をくぐり抜ける手段もしっかり用意されている。落下する奈落や爆発への対処もアイテムで対処可能とイジワルな難易度では決してない。

体力回復はボス撃破時に確定で2つ。ショップで一度だけ購入できるほか、敵を倒すと稀にドロップする。いわゆるポーション的なアイテムはないので、バランスはやや運寄り。しっかり被ダメージを減らしていく経験則が重要になってくる。

敵の出現位置がランダムであり、敵弾の性質も敵ごとに異なるので、総じて対応力の求められる弾幕ローグライトとなっている。やり込みによりキャラや強力なショット強化アイテムが解禁されていくので、リプレイ性はかなり高め。

とくにショットに付与できるスロット枠が増えていくサブクエストは、プレイを重ねることでしか達成できない。最初は圧倒的な弾幕にやられがちだが、繰り返しのプレイでだんだんとクリアの道筋が見えてくる上にショットの強化幅も拡大していくのは丁寧な作りだ。

ドットテイストの優しい見た目とは裏腹に、かなり激しい弾幕シューティングが楽しめるローグライト。気軽にショットと見極めの爽快感やビルド構築の面白さに触れてみれはいかがだろうか。

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