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黒部市宇奈月町下立の愛本姫社まつりは21日、同社周辺で行われ、黒部川の大蛇に嫁いだ茶屋の娘、お光の伝説を再現する婚礼行列が繰り広げられた。伝承を生かした地域行事をと企画し、第37回を数えた。保存会員らは黒部の観光資源としても末永く継承していく思いを新たにした。
お光役は富山一高2年の紙愛結(あゆ)さん(17)、大蛇の化身の若侍役は下立青年団長の長谷川悟さん(31)が務めた。花火を合図に仮装した2人と大蛇の作り物、こし入れ道具を持った住民らが結婚式場となる愛本姫社まで練り歩いた。
米粉団子を大蛇のうろこに見立てたササのちまきが愛本の名物として伝わり、作り方を教えたのはお光とされており、婚礼の儀では三三九度の杯を交わした後、お光が両親にちまきを渡した。宇奈月小女子児童は「愛本ちまき踊り」を披露した。
出発前に行列保存会の魚谷進会長、武隈義一市長らがあいさつした。
大蛇お光行列は伝説の継承、地域活性化を狙い1988年にスタートした。ちまきは従来、まつりに合わせ一般販売も行われていたが、作り手不足とササの入手困難から見送られた。