元豪州代表監督に訊く! 石川祐希、高橋藍、西田有志「以外」で注目する男子バレー選手は誰? 日本のファンの印象は!?【ネーションズリーグ】

世界各国のスーパースターたちが日々熱戦を繰り広げ、多くの感動をもたらすバレーボールネーションズリーグ(VNL)。男子予選ラウンドは最終の第3週に突入し、フィリピンのマニラでも大いに盛り上がりを見せている。

そんななか、第2週の福岡ラウンドで、国際バレーボール連盟の配信サービス『Volleyball World TV』の解説を担当したリアム・スケッチャー氏に日本男子バレーの印象などを伺った。彼は母国オーストラリアや欧州で指導者として渡り歩いており、2024/25シーズンからドイツ・ブンデスリーガのネツホッパーズ KWで指揮を執ることが決定。過去にオーストラリアで代表監督も務めた名将だ。

――福岡で見た日本男子バレーの全体的な印象を教えてください。

日本男子に対する私の全体的な印象は、彼らが今や国際舞台で大いに尊敬されるチームであるということです。昨年のVNLでのパフォーマンスは一部の人々を驚かせたかもしれませんが、現在の日本チームのレベルの高さを疑う人はひとりもいません。
――日本の石川祐希、高橋藍、西田有志以外で注目する選手は誰ですか?

石川選手、高橋選手、西田選手の「ビッグ3」以外にも日本チームには、素晴らしい才能を持った選手がたくさんいます。世界クラスのリベロである山本智大選手、優れたセッターである関田誠大選手、そしてアウトサイドヒッター甲斐優斗選手の将来性に期待できる十分な理由があります。

――日本では今、バレーボールの人気が急上昇しています。ドイツではどうですか?

ドイツのバレーボールはメジャーではないため、あまり大きく報道されていませんが、熱心なファンがたくさんいます。ドイツのトップチームは定期的に試合に勝ち、CEVチャンピオンズリーグのグループステージを突破しています。イタリアやポーランドと同じレベルとは言えませんが、プレーの質はかなり高いです。
――ではドイツで今、人気のあるスポーツを3つ教えてください。

世界のほとんどの地域と同じように、サッカーがドイツで最も人気のあるスポーツであるのは明らかです。あと、ハンドボールも非常に親しまれていますし、バスケットボールの注目度も高まっています。だけども、このふたつの競技は、バレーボールより少し人気が上回っているだけです。

――ちなみに、リアム氏の出身でもあるオーストラリアで人気のあるスポーツは何ですか?

オーストラリアでは、4つの異なる種類のフットボール(オーストラリアンフットボール、ラグビーリーグ、ラグビーユニオン、サッカー)が人気です。バスケットボールもネットボールと同様にかなり人気があります。バレーボールはオーストラリアではメジャーではありませんが、私たちはアジアレベルで良い結果を出せること、そして国際レベルで競争力があるということを示してきました。
――最後に日本のファンの印象を教えてください。

日本のファンは、本当に素晴らしいです。自国だけでなく相手チームの好パフォーマンスにも賛辞を贈ってくれます。幸運にもそこでプレーする機会を得られた世界のバレーボール選手たちは、日本のファンが常に示してくれるサポートと評価にとても感謝しています。

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昨年のVNLでは銅メダルを獲得し、46年ぶりに主要国際大会で表彰台に上がった日本。そして、10月のパリ五輪予選では、16年ぶりに自力出場を掴み、確かな成長を見せつけた。「もう男子バレーは弱いなんて言わせない」――そんな声が聞こえてきそうだ。

取材・文●大田更紗(THE DIGEST編集部)

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