フィリピン会場で響く異例な「ニッポン」コール、ファンゾーンの熱烈サイン攻め…日本男子バレーの“超絶人気”に地元バレー連盟驚愕【ネーションズリーグ】

異国の地で、超異例な応援がクローズアップされている。

男子バレーボールのネーションズリーグは第3週のフィリピン大会が現地6月21日に行なわれ、日本代表(世界ランク4位)はオランダ代表(同13位)を3-0(25-18、25-19、25-20)のストレートで下し、決勝ラウンド進出を決めた。

2セットを連取した日本はオポジットの西田有志が第3セットで大爆発した。長いラリーから渾身のスパイクをレフトから炸裂させると、続くサービスエースを3本連続で決めるなど、劣勢だった流れを完全に引き戻した。サウスポーエースの奮闘で息を吹き返した日本は驚異の8連続ポイントを挙げて、16-12と逆転に成功した。

完全に勢いに乗ったチームはキャプテンの石川祐希や途中出場の宮浦健人のスパイク、スタメン起用した高橋健太郎のブロックや速攻が光り、終盤に突き放した。最後は頼れる主将が2本目のトスを豪快にバックセンターから相手コートに叩き込み、ジ・エンド。粘るオランダを一蹴した。
18日のカナダ戦の黒星スタートから見事に立て直し、快勝を収めた日本。実は試合前から、地元の熱烈な声援がチームに送られていた。

日本の試合会場には現地ファンが客席を埋め尽くし、母国以外では超異例といえる満員に膨れ上がった。試合中も、日本がレシーブでボールをつなげば歓声は上がり、日本の得点になると一斉に応援用のバルーンを叩いて後押しするほど、まるでホームのような雰囲気を作った。さらにこの日は「ジャパン」ではなく、日本語の「ニッポン」コールが沸き起こるほど、バレー熱が高いフィリピンの日本戦は異様な熱気に包まれた。

フィリピンのバレーボール連盟(PNVF)公式X(旧ツイッター)は、そんな日本チームの状況を逐一SNSに投稿していた。日本の得点、ブロックポイントが決まると大きな歓声を上げて喜ぶファンの様子を連続でアップし、試合後には選手と直接触れ合うことができる「ファンゾーン」で、甲斐優斗が地元ファンにサインをする様子を見逃さなかった。女性ファンから「キャーキャー」という黄色い声援が送られ、無数のスマートフォンが向けられる一部始終を「ファンゾーンの出来事」と題し、SNSに拡散していた。

予選ラウンド残り2試合となった日本は22日に東京五輪金メダルのフランスと、23日には米国と対戦する。異国ながら完全にホームと化した日本にとって、フィリピンの熱烈な応援は心強いサポートといえるかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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