豊かな表現力に感嘆 富山で「95歳セツの新聞ちぎり絵原画展」、県内外から続々来場

家族連れらでにぎわう会場=富山市民プラザ

 富山市民プラザで開催中の「95歳セツの新聞ちぎり絵原画展」は連日、幅広い世代の来場者でにぎわっている。新聞ちぎり絵に取り組む木村セツさん(95)=奈良県=による最大規模の展覧会。表現力豊かな作品を一目見ようと、21日も県内外から大勢の人が足を運んだ。7月7日まで。

 セツさんは90歳になる頃から新聞ちぎり絵を始め、才能が開花。日常の中にある物を題材にしたはがき大の作品は、新聞紙とは思えないほどの精巧さと、手作りの温かみが感じられ、SNS(交流サイト)を中心に話題となっている。

 富山展では、食べ物や植物を題材にした作品や、展覧会に合わせて制作した「鱒寿司(ますずし)」など約160点を展示している。21日も平日ながら友人グループや家族連れらが次々に来場。作品にぐっと近づいて鑑賞したり、写真を撮ったりして楽しんだ。上市町湯上野の谷口麗子さん(59)は「食べ物が本物みたいでおいしそう。90歳で始めたと思うとびっくり」と話した。

 セツさんの作品をモチーフにしたグッズなどを並べた物販コーナーのほか、制作の様子を収録した初公開の映像も注目を集めている。セツさんが器用に新聞紙をちぎり、ピンセットを使って貼り合わせる様子が流れ、来場者は感心した様子で見入っていた。岐阜県飛騨市から家族で訪れた室屋千代美さん(65)は「色の使い方やアイデアが面白い。セツさんの作り方を参考にしてやってみたい」と声を弾ませた。

 北日本新聞創刊140周年記念事業。会期中無休。

セツさんの人柄がにじむ作品が並ぶ
平日ながら大勢の人が足を運んだ
会場では作品を撮影しながら楽しむことができる
セツさんが富山展のために制作した「鱒寿司」
セツさんの作品をモチーフにしたグッズが並ぶ物販コーナーも人気を集めている
新鮮な野菜や果物などを題材にした作品が並ぶ会場=富山市民プラザ
制作中のセツさんの映像を紹介しているコーナー

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