お光の婚礼行列、華やか 富山県黒部市宇奈月で愛本姫社まつり、大蛇に嫁いだ伝説再現

愛本神社へ向かう婚礼行列=黒部市宇奈月町下立

 富山県黒部市宇奈月町下立の愛本姫社まつり「大蛇お光行列」が21日にあり、黒部川の大蛇に嫁いだ茶屋の娘、お光(みつ)の伝説を再現した華やかな婚礼行列が地区内を練り歩いた。

 お光役は富山第一高校2年の紙愛結(かみあゆ)さん(17)、大蛇の化身の若侍役は下立青年団長の長谷川悟さん(31)が務めた。

 大蛇の模型やのぼりを掲げた行列と、若侍が愛本橋下の黒部川神社鳥居前を出発。花嫁衣装姿のお光が控える集会所に立ち寄り、2人が住民に紹介された。宇奈月小学校の女子児童が「愛本ちまき踊り」を披露した。

 お光が加わった行列は愛本姫社まで歩き、婚礼の儀式を実施。2人が三三九度の杯を交わし、お光が出産で家に戻った際に作り方を伝えたとされる愛本ちまきを両親に贈った。「守り神の大蛇に感謝し、五穀豊穣を願う」という口上が読み上げられた。

 行列はUターンし、「新婚旅行」として黒部川神社の鳥居まで歩いた。住民ら大勢が見守った。

 まつりは伝説の継承と地域活性化を目的に、大蛇お光行列保存会(魚谷進会長)が1988年から開いている。

愛本ちまき踊りを披露する児童
両親役の2人にちまきを贈るお光役の紙さん(手前右から2人目)
愛本橋のふもとから歩き出した行列

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