手取りの差は20万円!?
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物価高により日々の生活が苦しい人も多いのではないでしょうか。そのような中で、年収700万円に憧れを持つ人も多いかもしれません。
では、実際に「年収700万円」をもらう人の手取りはいくらなのでしょうか。
本記事では、世帯年収700万円の共働き夫婦世帯の手取りと独身で年収700万円の手取りをそれぞれシミュレーションして紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
年収700万円をもらう会社員はどれくらいいるのか
日本に年収700万円を稼ぐ会社員はどれくらいいるのでしょうか。
国税庁長官官房企画課「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の給与分布は以下のとおりです。
代替テキスト:給与所得者の年収分布表
上部キャプション:【写真4枚】1枚目/給与所得者の年収分布、2枚目以降/年収700万円・世帯年収700万円(夫400万円・妻300万円)の手取り額シミュレーション結果表
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給与所得者の年収分布
年収 割合
- 100万円以下 7.8%
- 100万円超200万円以下 12.7%
- 200万円超300万円以下 14.1%
- 300万円超400万円以下 16.5%
- 400万円超500万円以下 15.3%
- 500万円超600万円以下 10.9%
- 600万円超700万円以下 6.9%
- 700万円超800万円以下 4.8%
- 800万円超900万円以下 3.3%
- 900万円超1000万円以下 2.2%
- 1000万円超1500万円以下 4.0%
- 1500万円超2000万円以下 0.8%
- 2000万円超2500万円以下 0.3%
- 2500万円超 0.3%
年収700万円を超える人は、15.7%しかいません。やはり、年収700万円は一般的に高年収であることがわかります。
共働きで年収700万円を目指せる
年収700万円を1人で稼ぐのは難しいことを確認しましたが、夫婦が共働きで年収700万円を目指せばそのハードルはグッと下がります。
お互いが年収350万円以上ずつを稼げば、合計で年収700万円を超えることが可能です。年収400万円を超える人の割合は全体の48.8%なので、そこまでハードルは高くないことがわかります。
【ひとり世帯】年収700万円の手取りはいくら
独身ひとりで年収700万円稼ぐのと夫婦2人で年収700万円を稼ぐのとでは、実は手取りにも大きな差が生じます。
まずは、独身で年収700万円稼ぐ人の手取りを以下の条件でシミュレーションしてみましょう。
- 東京都勤務の45歳会社員
- 年収700万円(月給45万円×12ヶ月+ボーナス80万円×2回)
- 独身
- 住まいは埼玉県(住宅ローン残高なし)
- 生命保険料控除や医療費控除・寄付金控除の適用なし
シミュレーションの結果は以下のとおりです。
【ひとり世帯】年収700万円の社会保険料と税金
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- 健康保険料(介護保険料含む):39万7000円
2万5476円(月給分)×12ヶ月+4万5741円(ボーナス分)×2ヶ月分
- 厚生年金保険料:60万2000円
4万260円(月給分)×12ヶ月+5万9475円(ボーナス分)×2ヶ月分
- 雇用保険料:4万2000円
700万円×0.6%
- 所得税:31万5000円
(700万円(額面年収)ー48万円(基礎控除)ー180万円(給与所得控除)ー104万1264円(社会保険料控除))×20%ー42万7500円+6473円(復興特別所得税)
- 住民税:37万8000円
(700万円(額面年収)ー43万円(基礎控除)ー180万円(給与所得控除)ー104万1264円(社会保険料控除)×10%+5000円(均等割)
- 手取り:526万6000円
700万円ー39万7000円(健康保険料)ー60万2000円(厚生年金保険料)ー4万2000円(雇用保険料)ー31万5000円(所得税)ー37万8000円(住民税)
*各数値の計算で四捨五入をおこなっているため、計算式と計算結果が一致していません。
社会保険料と税金が合計で約173万4000円かかり、手取りは526万6000円です。社会保険料と税金としてかなりの金額が天引きされてしまいます。
【夫婦共働き世帯】世帯年収700万円の手取りはいくら
つぎに、夫婦が共働きで世帯年収700万円を稼ぐ場合の手取りをシミュレーションしてみましょう。以下の条件でシミュレーションします。
- 夫婦ともに東京都勤務の45歳会社員
- 夫は年収400万円(月給25万円×12ヶ月+ボーナス50万円×2回)
- 妻は年収300万円(月給20万円×12ヵ月+ボーナス30万円×2回)
- 住まいは埼玉県(住宅ローン残高なし)
- 生命保険料控除や医療費控除・寄付金控除の適用なし
シミュレーションの結果は以下のとおりです。
年収400万円の夫の社会保険料と税金
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- 健康保険料(介護保険料含む):23万9000円
1万5054円(月給分)×12ヶ月+2万8950円(ボーナス分)×2ヶ月分
- 厚生年金保険料:37万7000円
2万3790円(月給分)×12ヶ月+4万5750円(ボーナス分)×2ヶ月分
- 雇用保険料:2万4000円
400万円×0.6%
- 所得税:8万4000円
(400万円(額面年収)ー48万円(基礎控除)ー124万円(給与所得控除)ー63万9528円(社会保険料控除))×5%+1,722円
- 住民税:17万4000円
(400万円(額面年収)ー43万円(基礎控除)ー124万円(給与所得控除)ー63万9528円(社会保険料控除)×10%+5000円(均等割)
- 手取り:310万3000円
400万円ー23万9000円(健康保険料)ー37万7000円(厚生年金保険料)ー2万4000円(雇用保険料)ー8万4000円(所得税)ー17万4000円(住民税)
*各数値の計算で四捨五入をおこなっているため、計算式と計算結果が一致していません。
年収300万円の妻の社会保険料と税金
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- 健康保険料(介護保険料含む):17万4000円
1万1580円(月給分)×12ヶ月+1万7370円(ボーナス分)×2ヶ月分
- 厚生年金保険料:27万5000円
1万8300円(月給分)×12ヶ月+2万7450円(ボーナス分)×2ヶ月分
- 雇用保険料:1万8000円
300万円×0.6%
- 所得税:5万5000円
(300万円(額面年収)ー48万円(基礎控除)ー98万円(給与所得控除)ー46万6200円(社会保険料控除))×5%+1127円(復興特別所得税)
- 住民税:11万7000円
(300万円(額面年収)ー43万円(基礎控除)ー98万円(給与所得控除)ー46万6200円(社会保険料控除)×10%+5000円(均等割)
- 手取り:236万2000円
300万円ー17万4000円(健康保険料)ー27万5000円(厚生年金保険料)ー1万8000円(雇用保険料)ー5万5000円(所得税)ー11万7000円(住民税)
*各数値の計算で四捨五入をおこなっているため、計算式と計算結果が一致していません。
夫婦合計の手取りは約546万5000円です。独身で年収700万円を稼ぐ人と比べて、約20万円も手取りが多くなっています。
これは、所得税の計算において所得が高い人ほど税率が上がる「累進課税制度」が適用されるためです。そのため、独身で年収700万円の人が納める所得税は高額となり、手取りは減ってしまいます。
共働きも検討しよう
シミュレーションしたとおり、共働きをすれば世帯年収が増えるだけでなく、独身で同じ金額を稼いだ場合よりも手取りが増えます。
そのため、家計はより楽になるでしょう。もちろん家事や育児とのバランスも大切ですが、ぜひ共働きにより経済的に豊かになることを検討してみてください。
参考資料
- 国税庁企画課データ活用推進室「令和4年分民間給与実態統計調査について」
- 東京都「令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表 」
- 厚生労働省・都道府県労働局長・ハローワーク「令和6年度雇用保険料率のご案内 」
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」
- 国税庁「No.1410 給与所得控除」
- 国税庁「No.1191 配偶者控除」
- 埼玉県「個人県民税」