「67」×3で圧勝 鈴木佳恵がツアー24年目の初V「まさか公式戦で」

最後はこの笑顔(撮影:米山聡明)

<JLPGAレジェンズチャンピオンシップ(グランドシニアの部) 最終日◇21日◇軽井沢高原ゴルフ倶楽部(群馬県)◇5484ヤード・パー73>

軽井沢で行われた国内女子レジェンズ(シニア)ツアーの公式戦で、ツアー24年目の鈴木佳恵がプロ初優勝を遂げた。29歳でプロテストに合格してからまもなく四半世紀。ようやく栄冠をつかんだ。

「JLPGAの試合で勝ちたい気持ちはすごくあったんですけど、まさか公式戦で優勝できるとは思ってなかったです」

初日を5アンダーで飛び出すと2日目も同スコアでリード。最終日も「67」で3日連続のビッグスコアをマークし同ツアー記録のトータル15アンダー。苦労人が浅間山を望む軽井沢で歓喜の勝利を収めた。

飛距離が出るほうではない。「昨日も(福嶋晃子)アッコちゃん、(佐々木慶子)慶ちゃん、酒井千絵ちゃんと回っていて、50ヤードぐらい置いていかれて、先にセカンド打つんですよ」。そんなハンでもありながらバーディラッシュは止まらない。「初日に一緒だった(横山三和子)三和ちゃんに“ユーティリティの魔術師”って言われたんですよ」と、チャンスを量産し逃げ切った。

7回目の受験で2001年のプロテストに合格。レギュラー、ステップ・アップ、レジェンズ含めてここまで勝利もなければシード権も持たなかった。20年3月には腰の狭窄症でで手術も経験。長く苦しんだ時間を埋める、最高の瞬間だった。

【上位選手のコメント】

佐々木慶子(2位、トータル9アンダー) 
「17番はバンカーで目玉になって、出ただけでもよかったんだけど、短いボギーパットを外して心が折れました。でも、どうやっても追いつかなかった。(鈴木)佳恵さんが、バーディ獲るし、パーパットも全部入るから、セカンド入れるしか追いつきようがなかったぐらい。ただ、練習ラウンドのときの自分の状態を考えるとこの順位、スコアは満足しています。私は精一杯やりました」 

久保樹乃(3位、8アンダー) 
「きょうは、朝から雨だったので、スコアとか考えずに1打1打集中してプレーしました。3日間できょうが一番ドライバーショットが散っていたんですけど、パッティングがよかったですね。朝の練習グリーンで、(鈴木)佳恵さんのパッティングをスタート前に見てうまいなと感心しました。転がりがすごくよくて、佳恵さんのパッティングをイメージしてラウ
ンドに臨めたのもよかったと思います。次戦は、全米シニア女子オープン。ドライバーの精度をよくして臨みたい。来年は、名門のサンディエゴCCなので、出場権を獲得できる順位には入りたいんですけど、あまり欲をかくと力が入ってしまうので、きょうみたいに目の前のことに集中していきたい」
 
福嶋晃子(6位、3アンダー) 
「今週、ショットがずっと悪いから、そのまま悪い方に出ちゃいましたね。雨で思うように打てなかったのもありますが、3日間ともこんな感じでしたね。次戦は、全米シニア女子オープンに行きます。今年は、レジェンズの試合で毎試合クラブを替えるほど、調子がよくない。8月までには、なんとかしないとダメですね」 

© 株式会社ALBA