「かわいい名前だが…」 火災によるペットの死亡事故も 警視庁が「もふもふプッシュ」に注意を呼びかけ

犬や猫が誤ってスイッチを押してしまうことも(写真はイメージ)【写真:写真AC】

犬や猫をはじめとするペットは家族の一員で、飼い主は快適に過ごせるよう気を配ることが大切です。ペットの安全を守り、家での事故を防ぐため、警視庁警備部災害対策課は、公式X(ツイッター)アカウント(@MPD_bousai)で注意を呼びかけています。

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ペットの死亡事案も 犬や猫が「コンロの操作ボタンやスイッチを…」

「『もふもふプッシュ』をご存じですか?」

そんな書き出しの投稿に添えられた写真には、ガスコンロの魚焼きグリルの点火スイッチを押そうとする、おもちゃの猫の手が。「もふもふプッシュ」とは、室内飼いのペットが「知らぬ間に電化製品のスイッチを押したり、電源コードをかじったりする行動など」を指す言葉で、ネーミングはかわいいですが、とても危険です。

夜は家族みんなで一緒に過ごしていても、日中はペットだけで留守番になることもあります。ケージ内や決められた部屋での留守番がストレスになる場合、家の中を自由に動き回れるようにすることもあるでしょう。

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)に通知された製品事故情報によると、2013年度から2022年度の間で、犬や猫、鳥、げっ歯類などが原因で起きた事故は61件。そのうち約9割が火災です。

発生した主な原因は「ペットがコンロの操作ボタンやスイッチを押したことで発火」が最も多く、「ペットの尿や抜け毛に付着した水分によるトラッキング現象で発火」や「ペットが配線器具やバッテリーを噛んだことでショートして発火」なども。

そうして起きた火災により、飼い主やペットの負傷だけでなく、ペットの死亡も報告されています。

近年、ガスやIHコンロには空焚き防止など、火災や事故を防ぐ機能が標準装備されるようになりました。しかし、熱源の近くに燃えやすいものがあった場合の引火などは、コンロ自体の機能で防ぐことができません。

投稿では「コンロにロックをかけたり、ペットをケージに入れて外出するなどして、もふもふ災害(ペットによる事故)に注意しましょう」と呼びかけています。

大きな事故につながりかねないことから、リプライ(返信)や引用リポストには「知りませんでした!」「実家に教えようと思います」「とてもかわいい名前だが実際はえらいことじゃん」「『もふもふプッシュ』なんてかわいい名称で、引き起こされる事態はめっちゃ深刻」などの声が上がっています。

普段から、外出時は元栓を閉め、コンロなどのロック機能を活用するのも大切。また、危険が考えられる場所には入れないようにするなど、大切な家族の安全を守るために十分な対策や配慮が必要ですね。

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