里親として長く養育 下口さん夫婦に感謝状 長崎県庁で伝達式

感謝状を受け取った下口さん夫婦=県庁

 長年里親として子どもを養育した長崎県内の2組に、内閣府特命担当大臣の表彰状や感謝状が贈られた。県庁で伝達式が開かれ、子どもを10年以上養育し感謝状を受けた長崎市の下口和夫さん(67)、昌代さん(60)が出席した。
 下口さん夫婦は2人の息子の子育てを終えた後、長男が児童養護施設に勤めたことを機に、里親の制度を知った。研修などを経て県から登録を受け、当時小学1年の女児を迎えた。昨年高校を卒業するまでの約12年間育て、大学入学で家を離れた今も、帰ってくるなど交流が続いている。
 17日の伝達式では浦亮治県こども政策局長が感謝状を贈呈。下口さん夫婦は児童相談所や里親会などの力を借り、試行錯誤して過ごした日々や、迎えた子どもが部活で活躍したり、得意な料理で助けてもらったりした思い出を振り返った。
 地区内の里親が悩みや意見を語り合うサロンを立ち上げ、イベントなどを開催。里親や子どもたちが交流する機会もつくった。昌代さんは「受け入れてくれた地域性もあり、(子どもも)『家に帰ってくるとホッとする』と言ってくれる」と話し、里親として子どもを養育する他の夫婦に「2人だけで困らず相談して、“開かれた里親”として地域に溶け込んだ子育てを」とエールを送った。
 20年以上養育に当たった県内の古川猛さん、江里子さん夫婦も表彰された。

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