アマチュアでも300ヤード!? 期待膨らむドライバー プロギア「RS F」

プロギアから、7代目となる新しいドライバー「RSシリーズ」が登場(7月12日発売)。今作から「MAX」が追加され、モデル名も「RS Xシリーズ」と一新。今回は最もアスリート仕様で数量限定発売モデルとなる「RS F ドライバー」を試打する。歴代モデルは男子ツアーのトップ選手も使っていたが、新作はどのようなドライバーに仕上がっているのか? 飛距離性能、弾道、特徴をアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)がチェック。詳しい性能はギア知識が豊富なミタさんが解説した。

「F」の意味はフェード&フラット

やや右を向いたフェースはアスリートや上級者が好みそうな顔(撮影/有原裕晶)

【ミタさん】
今回はプロギアのドライバーで最難度の「RS F」です。

【コウタロウ】
プロギア最難度というよりも、最近の「RS F」は国内メーカーでもトップクラスのアスリート仕様です。

【シオさん】
そもそも「F」ってどういう意味なんですか?

【ミタさん】
Fには2つの意味があって、一つはフェード、もう一つがフラットです。

【コウタロウ】
重心がフェードバイアスでライ角がフラットってことでしょ。それはハードになりますね。

ライ角は56度で重心角は25.5度。つかまりを抑えた設計となっている(撮影/有原裕晶)

【シオさん】
新モデルは前作から何が変わっているんですか?

【ミタさん】
「RS MAX」「RS 」のときに説明した、フェースや4つ穴クロス(X)カートリッジの構造など、Xシリーズの進化は共通です。それ以外では、ヘッド下部のたわみを最大にする「Wソール」を採用して、下側で打っても初速が出るようにしています。

【コウタロウ】
やっぱりプロギアはギリギリのボールスピードを追求している感じですね。

しっかり叩けるロースピンモデル「RS F」の初速性能は果たして!?(撮影/服部謙二郎)

【シオさん】
「RS F」は完全にツアーモデルですよね。

【ミタさん】
男子ツアーだと谷原秀人選手が開幕戦で「RS F」を使っていましたが、シーズン途中から「RS MAX」をテストしはじめています。

【コウタロウ】
それくらい「RS F」はハードだったんですね。ちょっと試打するのが怖いかも。

HS45m/sでも純正シャフトでOK!

バックスピン量は「RS MAX」がいちばん多く、「RS F」がいちばん少ない結果となったシオさん(撮影/服部謙二郎)

【シオさん】
まずは私から打ちましたが、感覚的にはそこまでハードじゃなく操作性も良かったです。でも、数字はシビアでしたね。

【ミタさん】
スピン量が2000回転を切っていたので、本来のキャリーが出ていません。打ち出し角も10度前後まで落ちる打球もあったので、ちょっと厳しかったですね。

【シオさん】
結果は厳しかったですが、打感はパーフェクトでした。「MAX」も「RS」もフルチタンなので打感は良かったですが、「RS F」はさらに打感が気持ちよかった。チタンらしい柔らかさと弾き感で、打球音も爽快です。

アスリートのコウタロウでもスピン量は2000rpm前半。叩いても左にいく気配はなかった(撮影/服部謙二郎)

【ミタさん】
コウタロウはどうでしたか?

【コウタロウ】
たしかに打感は満点!それと、第一印象としては前作の「RS F」に比べると、少しだけマイルドになりました。適度なつかまり感もあるし、弾道も中弾道。

【ミタさん】
スピン量も2200回転くらいはありましたから、ギリギリ合格点です。

「RS F」の標準シャフトとなる「TOUR AD FOR PRGR」。中~先の剛性を高め、つかまりを抑えたシャフト(撮影/有原裕晶)

【シオさん】
振り心地はどうでしたか?

【コウタロウ】
顔もいいし、純正シャフトの「ツアーAD FOR PRGR」が振りやすくて、しっかり感がありました。この純正シャフトはヘッドスピード45m/s前後のゴルファーでも全然OKだと思います。ヤワな感じが一切なくて、素直なしなり戻りでタイミングが合わせやすいです。

【ミタさん】
打球方向も安定していましたね。

叩いても左に行かない安心感があるから振れる。平均データから見ても初速性能はとても高い

【コウタロウ】
前作に比べるとミスヒットにも強くて、打球のバラツキは少なくなりました。

【ミタさん】
慣性モーメントが前作より大きくなっていて、横方向の慣性モーメントは4410g・cm2。スタンダードの「RS」が4650g・cm2なので、それほど大きな差はありません。

【コウタロウ】
慣性モーメントの影響でマイルドに感じたかもしれません。打感で選ぶなら「RS F」だけど、操作性では「RS」、コースで安心感があるのは「MAX」という感じですかね。

【ミタさん】
ツアーモデルの「RS F」は王道のツアーモデル。昔の言い方だと“プロモデル”と言うべきドライバーです。前作に比べると慣性モーメントが上がっていて、適度なつかまり感はありますが、それでもアマチュアゴルファーにはかなりハードなタイプ。ヘッドスピードの目安としては45m/s以上は必要です。逆にパワーヒッターや上級者にとっては叩いても左に行かない安心感があると思います。

【コウタロウ】
叩けば叩くほどボールスピードが出る感覚があるので、280ヤード飛ばせるアマチュアにとっては夢の300ヤードが見えてくるドライバーです。

まとめ

シオさんは厳しい結果となったが、構えやすさ、打感は◎

■ 試打したクラブのスペック

「RS F」はソール後方に8グラム、中央フェースよりに3グラムのウエイトが装着されている

プロギア RS F ドライバー

シオさん
●ロフト角:10度●シャフト:TENSEI FOR PRGR●硬さ:S(M-43)

コウタロウ
●ロフト角:10度●シャフト:TOUR AD FOR PRGR●硬さ:S(M-43)

■ マイクラブ情報

シオさん:ピン G430 SFT ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:NSプロ レジオ フォーミュラ MB+ 55 ●硬さ:S

コウタロウ:ヤマハ RMX VD/X ドライバー
●ロフト角:9.5度 ●シャフト:VENTUS TR RED(ベンタス ティーアール レッド) 6 ●硬さ:X

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