オーナーは26歳の孫 家族3世代で営む古民家イタリアンの挑戦 80歳で“発酵食品ソムリエ”資格取得、密かな人気は「祖母の漬物」

のどかな田園風景が広がる島根県安来市伯太町に、今年1月、古民家イタリアンの店がオープンしました。
確かな味と落ち着いた雰囲気ですでにリピーター続出の人気店となっているこの店のオーナーは、先日26歳になったばかり。そんな若きオーナーを支えるのは、母と祖母です。
家族3世代で営む店の挑戦を取材しました。

安来市伯太町東母里に今年1月にオープンしたHütte(ヒュッテ)。
地元の野菜や、旬の食材を使用したモーニングやランチ、スイーツなどを楽しめる古民家イタリアンのお店です。

オーナーの清水萌々(もも)さんは先日26歳になったばかりです。

高校卒業後、専門学校で調理と製菓を学び、調理師・製菓衛生師・食育インストラクターの資格を取得すると、滋賀と新潟で修業を重ねました。
そして昨年、地元にUターン。今年に入り、念願だった自分の店をオープンさせました。

Hütte 清水萌々さん
「幼稚園の時に先生とケーキを作ったことがあって、それを友達に渡した時にすごい喜んでくれて。それがすごく印象に残ってて、その時から飲食に関わる仕事がしたいなと思って…この道に進みました。」

肉と魚、2種類あるランチは週ごとにメニューを入れ替えていて、同じメニューは2度と登場しないんだとか。
この日おすすめの魚のランチ、「鰆のソテー 春キャベツのブールブランソース」をいただきました。

松原佑基キャスター
「いただきます。心地よい塩味、そしてこのブールブランソース、バターをベースにしたソースなんですけれども、そのまろやかさと鰆のうまみ相まっていて、非常においしく仕上がっています。」

店名のHütteはドイツ語で「素朴な山小屋」という意味。
訪れたお客さんに、山に囲まれた伯太の地でゆったり過ごしてもらいたいと、この名前に決めました。

店のオープンから4か月あまり。
萌々さん、少しは慣れてきたかと思いきや…

Hütte 清水萌々さん
「ちょっと待ってちょっと待って…
(そこ一番大事なとこなのに…)だってなんかちゃんと言わんといけんと思ってちょっと…ちょっと待ってくれ…」

ここまで料理一筋でやってきた萌々さん、料理以外のこととなると、途端に頭が真っ白になってしまいます

そんなちょっと天然なところもある萌々さんを一番近くで支えているのが、母のゆりさんです。

Hütte 清水ゆりさん(母)
「(娘は)すごくパワフルな感じ!パスタもね、5人前くらいおっきいフライパンで振ったりとか。一生懸命やってますね、ほんとに。」

萌々さんの夢をサポートすべく、店のオープンに向けてマクロビオティックセラピストの資格を取得!
その知識を活かして、現在は食材の仕入れや店で出すパン作り、接客などを担当しています。

萌々さんを支えるのは、お母さんだけではありません。

「祖母の智代江です!」

萌々さんの祖母、智代江(ちよえ)さんです。
なんと、80歳になってから発酵食品ソムリエの資格を取得した、パワフルおばあちゃんです。
店で使う塩麹や漬物などを作り、配膳の準備も担っています。

萌々さん
「おばあちゃんは野菜があったらすぐ漬けるみたいな、とりあえずつけるみたいな。なかでも高菜の葉っぱの漬物がおいしいんですよ!」

智代江さんの漬物は、客からの評判も良く、密かな人気商品なんだとか。

ただ、今でこそ家族3世代で力を合わせて営むHütteですが、当初智代江さんは店を始めることに反対していたといいます。

Hütte 原智代江さん(祖母)
「びっくりしましてね、最初は反対したんです。親族会議もしたりしまして、色々考えましたけど、孫の萌々と娘のゆりが一生懸命になっておりましたので、協力することにしました。今は私の出来ることを手伝って、それで元気をもらっております。」

Hütteは、智代江さんが1人で住んでいた築70年の日本家屋を改装した店。
元々あった家具を活かしながら、古民家風の店内をおよそ半年かけて自分たちで作り上げました。
料理の味とともにこの落ち着いた雰囲気も評判に。

客は
「2種類あって、鰆の方にしました。」
「料理も美味しいですよ。雰囲気もいいです」

今では各地から多くのファンが訪れる人気店となったHütte。
萌々さんに今後の目標を聞いてみると…

Hütte 清水萌々さん
「これからはおばあちゃんと、おかあさんとわたしで、それぞれの知恵や技術を出し合いながら、皆様に美味しい料理と素敵なサービスを提供していけたらと思います。」

家族3世代。
これからも力を合わせて、美味しい料理を届け続けます。

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