「3割ぐらいは高い状態」アキダイ・秋葉弘道店長 “豚肉ショック”…売り場では「迷い」「あきらめ」も

21日、最新の消費者物価指数が発表された。
変動が大きい生鮮食品を除いた指数が、2023年の同じ月と比べて2.5%プラスと、依然物価高が続く中、国産の豚肉が2023年と比較して2.9%も上昇している。

豚肉高騰で店や消費者から“悲鳴”

ハムやソーセージなどに使用する豚肉をめぐって、店や消費者からは悲鳴にも似た声が上がっている。

60代:
豚肉をよく買ってましたけど、(牛肉と)同じくらいですね、今ね。これ以上、上がらないでほしいですよね。

80代:
(ベーコンが)前は安かったんだけど、ちょっと100円ぐらい上がったかな。

40代:
豚肉はそうですね。ちょっと上がるときついですね。

40代:
飲食店で働いてるから、毎日毎日上がってんじゃないかぐらい。

買い物客の皆さんも、豚肉の値上がりを感じる方が多いようだ。

東京・練馬区のアキダイ関町本店の売り場では、値段を比べているのか、肉を手に取って真剣に見て選んでるように見えた女性が、肉をまた棚に戻していた。

ーー値段見てどう思いますか? 40代:
ちょっと以前より高くなったかなと正直思います。子どもが結構いっぱい食べるようになったので困っちゃいますね。(今度は)鶏肉行くしかないです。

取材中、豚肉を一度手に取りながら、値段を見て諦める方の姿が多く見られた。

「だいたい3割ぐらいは高い状態」

豚肉にも迫る値上げの波。
スーパーの店頭では3割ほど高騰しているという。

アキダイ関町本店・秋葉弘道店長:
豚肉全体的に見て、国産の豚肉ですけども、だいたい3割ぐらいは高い状態ですかね。仕入れ価格でいうと、800円だったものが1100円。牛肉も高い、豚肉も高いとなると、やっぱりだんだんお客さんが“肉離れ”をしちゃうと困っちゃうなというのがあるんで、お店の方でも必死にパフォーマンスしてますよね。

さらに豚肉料理の代表格「とんかつ」にも大きな影響が出ていた。

東京・杉並区内のとんかつ店「とんかつ そら 〜空〜」には、原材料不足のためランチタイムが短縮となる掲示が出ていた。

とんかつに使われる豚肉の値上がりについて、店主はこう話す。

「とんかつ そら 〜空〜」水野昂平料理長:
とんかつ屋さんのメインの食材なので、埼玉県産の「香り豚」を使っていて、違う前菜とかに使うお料理とかでカナダ産のものも使っているんですけど、やはり両方とも上がっているイメージが僕の中ではありますね。
今、少しずつ上がっているので、(2年前の)オープンからすると1.5倍は上がっています。
豚はうちのメインの商品ですので、敏感に反応して値上げとかは、ちょっと考えていこうかと思っております。

ーーこの物価上昇はいつまで続くのだろうか?

第一生命経済研究所首席エコノミスト・永濱利廣さんは、「豚肉の供給量が減っているってことなんですけども、大きな要因としては、豚の伝染病の発生であったりとか、天候不順にともなう餌の減少とか、そういったところで豚肉そのものの値段が上がっていることに加えて、そこに円安も加わって、さらに値上げをしているということです」と解説する。

ーー豚肉の値段が今後下がることはあるのか?

第一生命経済研究所首席エコノミスト・永濱利廣さん:
先行き下がる局面があると思うんですけど、ただなかなか豚の成育にも時間はかかりますから、やはり半年から1年くらいは、ある程度高騰が続くと考えておくべきかなと思います。

今後も豚肉の値段とのにらめっこは続きそうだ。
(「イット!」6月21日放送より)

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