目指せ!最高到達点 ツアー未勝利36歳の河野祐輝はキャリア2度目の最終日最終組

36歳の河野祐輝がプロ17年目の初優勝を目指す(撮影/松本朝子)

◇国内男子◇ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 3日目(22日)◇西那須野CC(栃木)◇7036yd(パー72)◇晴れ(観衆2410人)

トップと3打差の5位から出た河野祐輝が9バーディ、1ボギーの「64」で回り、後続に2打差をつける通算19アンダーで単独首位に立った。初日2位の好発進から3日続けて上位にいる。「自分でもびっくりするぐらい落ち着いている」と素直な心境を語った。

2008年のプロ転向後、最高のキャリアは1度だけシードを取った2013年の「セガサミーカップ」2位。昨年はQTにファーストステージから臨んで最終72位の資格を手にしたが、今季の主戦場は下部ABEMAツアーだ。

ショートゲームが武器(撮影/松本朝子)

今季初めて巡ってきたツアー競技の初日、帯同なしのセルフプレーで足を挫いて「64」を出したのように、この日もマイペースを貫いた。「朝、車を運転しながらずっと同じ曲をリピートして聞いていたら、そのままずーっと前半9ホールはその曲が頭の中で流れていて」

テレビアニメ「ワンピース」の主題歌で、SEKAI NO OWARIが歌う「最高到達点」の“脳内ヘビーローテーション”に「俺の最高を出しておけばいいのか…」と茶目っ気を出してバーディを7つ奪い、前半を「29」で駆け抜けた。

今季ツアー初出場の今週は帯同なしのセルフプレー(撮影/松本朝子)

「動物のカピパラに似ている」と言われ、ツアー仲間に“カッピー”と呼ばれる。「みんな楽しそうに呼んでくれているので」と温和な表情で公認する。初日に痛めた足は「グルグル回すと痛い」とこぼす。また、電動カートのプレーで最終日の雨予報に「傘を差さないといけないとなると右腕が限界を超えるかも…」と右肩の凝りも心配だ。

最終日最終組は、最終日を2位で迎えた2013年「日本プロ選手権」以来2回目。キム・ヒョンソン(韓国)の優勝で幕を閉じたが、同郷で3歳下の松山英樹、1歳下の小平智と回った。今回は石川遼が同組にいる。「最終日最終組よりも、遼くんと回る方が緊張するかも」―。プロ17年目の初優勝を前にした36歳らしからぬ、愛嬌たっぷりの笑顔を浮かべラストスパートに臨む。(栃木県那須塩原市/石井操)

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