中国山東省で「陸海リレー養殖」トラウトサーモンの水揚げ始まる

中国山東省で「陸海リレー養殖」トラウトサーモンの水揚げ始まる

トラウトサーモンの海面養殖場。(煙台=新華社配信)

 【新華社煙台6月22日】中国山東省煙台市沖の渤海海域でこのほど、同海域で初めてとなる「陸海リレー」方式で養殖されたトラウトサーモンの水揚げが始まった。

 養殖を手がける地元企業、煙台経海海洋漁業の郭福元(かく・ふくげん)総経理は「1匹当たりの重さは1.5~2キロと予想を上回った。午後には市場に送られ、市民の食卓に届く」と語った。

 中国で養殖されるトラウトサーモンの年間生産量は4万トン余りだが、経済・社会の発展や生活水準の向上に伴い、若者の間で人気が高まっており、国内の消費ニーズは14万トンに上る。

中国山東省で「陸海リレー養殖」トラウトサーモンの水揚げ始まる

山東省沖の渤海で水揚げされるトラウトサーモン。(煙台=新華社配信)

 従来は陸上養殖(淡水養殖)が主流だったが、同社は2021年に「陸海リレー養殖」に取り組み始めた。ニジマスの稚魚を淡水で飼育して塩水に適応させた後、渤海の海面養殖場に移すという小規模な実証試験から開始。23年には稚魚36万匹を渤海のスマート養殖網に入れて大規模養殖に乗り出した。

 同社が養殖事業を行う8万5千ムー(約57平方キロ)の海域には、国家級と省級の海洋牧場が計3カ所あり、スマート養殖プラットフォームを8基運用している。1基当たりの年間水揚げ量は千トンに上る。IoT(モノのインターネット)を活用したビッグデータプラットフォームも構築し、スマート養殖網に観測点500カ所余りを設置。養殖や設備、水質、気象などの情報をリアルタイム監視しながら、4人の従業員のみで100万匹を養殖できる。

 中国水産科学研究院黒竜江水産研究所の徐革鋒(じょ・かくほう)研究員は、トラウトサーモンは世界的に生産能力の向上が期待されており、特に海面養殖による生産量は増加の余地が大きいと指摘。海での養殖を増やすことは、産業の質の高い発展を進める上で必然の流れとの見方を示した。(記者/邵琨)

中国山東省で「陸海リレー養殖」トラウトサーモンの水揚げ始まる

山東省沖の渤海で水揚げされるトラウトサーモン。(煙台=新華社配信)

中国山東省で「陸海リレー養殖」トラウトサーモンの水揚げ始まる

山東省沖の渤海で養殖されたトラウトサーモン。(煙台=新華社配信)

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