メルカリで同じパターを買うほど…岩田寛に憧れるルーキー下家秀琉 首位と4打差で最終日へ

大阪府出身だが、父方は徳島出身で同じ苗字が多いそう(撮影/和田慎太郎)

◇国内男子◇ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 3日目(22日)◇西那須野CC(栃木)◇7036yd(パー72)◇晴れ(観衆2410人)

首位と4打差の4位で最終日を迎える22歳の下家秀琉(しもけ・すぐる)は、今季ルーキーシーズンに臨むひとりだ。木下稜介や平田憲聖、大堀裕次郎ら男子プロを多く輩出する大阪学院大学出身で、昨年QT(予選会)68位の資格を取ってプロ転向した。

主戦場はABEMAツアーで、レギュラーツアーに出るのは5月「For The Players By The Players」以来2試合目。しかし、「緊張はある?」と問われると「緊張は…とくに…ないですね」。2日目には自己ベストスコアを2打更新する「62」で回り、強心臓ぶりを発揮。この日はボギーなしの3バーディ「69」。通算15アンダーまで積み重ねた。

岩田寛の「淡々と話す姿が格好いい」とか(撮影/和田慎太郎)

「好きなプロは?」と聞かれると、母校の先輩の平田、大堀の名前を即答したが、尊敬する選手は「岩田寛さん」。高校生だった2019年「トップ杯東海クラシック」で予選ラウンドを同組で回った。「一緒にプレーしたときにパッティングがめちゃめちゃ入っていたので(同じパターを)すぐにメルカリで買いました」。岩田が長年愛用するオデッセイの名器「ホワイトホット 2ボールブレード」を手に入れるほどのマニアである。

今週は「ロングパットのタッチが合うような気がして」とピン型のパターに変えたが、岩田への憧れは尽きない。「その次(2021年大会)に会ったときに、また同じ組で回れて『パッティング、どうやって打っているんですか?』と聞いたら1時間半ぐらいずっと打ち方とか…教えてもらえました」。この日の最終18番で5mのパーパットを沈めたのも、貰った助言が生きているからだという。

チップインバーディもあった(撮影/和田慎太郎)

今大会でトップ10に入れば、7月11日開幕の「長嶋茂雄招待 セガサミーカップ」の出場権を獲得できる。もちろん、ツアー初優勝も射程圏内だが「優勝は後からついてくるものだと思うので意識せずに。きょう、2日目と同じ気持ちの持ち方で、変わらずにやりたい」。朴訥とした喋り方、気負いのなさまで“岩田譲り”の新人がラスト18ホールを迎える。(栃木県那須塩原市/石井操)

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