石川祐希、神がかり33得点「強豪と戦えるとわかった」 東京五輪金フランスに大逆転勝ちで手応え【ネーションズリーグ】

フランスと対戦した男子バレー日本代表の石川祐希【写真:VNL提供】

ネーションズリーグ・フィリピン大会

バレーボールのネーションズリーグ(VNL)男子第3週のフィリピン大会は22日、世界ランク4位の日本が同7位の東京五輪金メダル・フランスと対戦し、セットカウント3-2で勝利。第1、2セットを取られながら、そこから大逆転でフルセットの激闘を演じ、まるでホームのような会場を熱狂させた。

日本は第1セット、競り合う展開ながら高さのあるフランスのブロックと粘りに屈し、徐々に突き放された。17-25で落とすと、第2セットもフランスペースは変わらず19-25。しかし、ムードを変えたのは主将の石川祐希だ。第3セット立ち上がりから怒涛の5連続ポイント。「石川」と漢字で書かれた団扇を振る現地ファンから悲鳴にも似た歓声が沸き起こり、日本に流れをもたらした。

このセットを25-16で奪い返すと、大接戦となった第4セットも要所で石川のアタックが決まり、一枚ブロックも炸裂。25-23でモノにした。そして、完全に押せ押せムードで迎えた最終セットも奪取。フィリピン大会は高橋藍がメンバー外となっているが、チーム一丸で東京五輪王者を撃破した。

石川は両チーム最多の33得点。中継局のインタビューに登場すると「冷静に受け止めてますし、ここが終わりじゃない。ここから上げて行ければいいなと。五輪で戦う可能性のある相手。西田選手とかいなかったけど、いるメンバーでやるべきことをやれた」と涼しげに振り返った。

その上で「フランスのメンバー1人、2人いなかったけど、ほぼフルメンバー。強豪とここまで戦えることがあまりレギュラーラウンドではなかった。自分たちのパフォーマンスを出してどれくらい通用するか見たかった。そこが力がしっかりついているなと。戦えるとわかった」と手応えを明かした。

「まだ今日ももったいないミスが多かったのでそこを修正しないといけないと思う」とも語った石川。ただ、フランス相手の勝利については「フランスもこちらもほぼフルメンバーだったので、そこでしっかりフルセットで勝ち切る経験ができたのはよかった。この後のファイナル、パリ五輪に向けて今日以上のパフォーマンスを他の国も出してくる。それに対して立ち向かうことは今日非常にいい勉強になったし、この後に繋げていきたい」と前向きだ。

一方で「まだ課題が多い。1、2セット目のようにサーブで崩せていけないと簡単にやられてしまうチーム」と慢心せず。「僕たちの弱点は1、2セット目で見えたので、そこをどれだけ潰せるか。勝負所になったら今いるメンバーは強いと思うので、いかに勝負所、1、2点の差に持っていけるのかが僕たちの勝つポイント。どんな試合でもそういうところを意識して戦っていきたい」。すでにファイナルラウンド進出を決めている日本。パリ五輪に向けても自信を深める1勝になった。

THE ANSWER編集部

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