木材の魅力引き出す 富山県の砺波市美術館で「木工芸3人展」 始まる

多彩な木工芸品が並んだ会場=砺波市美術館

 富山県の砺波市美術館の「砺波の木工芸3人展」は22日、同市高道の同館で始まり、砺波地方の良質な木材の美しさを最大限に引き出した約110点が並んでいる。7月28日まで。

 3人はいずれも砺波市在住の木工芸作家、荒木寛二さん、林哲三さん、米道正幸さん。日本工芸会の正会員という共通点があり、展示会への出品をメインに精力的に活動している。

 林さんは伝統工芸の指物と庄川の伝統工芸「庄川挽物(ひきもの)木地」の技術を使い分ける。「酒器一式(しゅきいっしき)と砂磨拭漆座卓(すなみがきふきうるしざたく)」は、四角形の座卓と、お盆やおわんといった丸みを帯びた木工品を組み合わせた。

 荒木さんはテーブルを中心に出品。「楠拭漆卓(くすふきうるしたく)」は「なでたくなるような丸み」にこだわった。米道さんは原木の魅力を引き出すような作風が持ち味で、ハスの葉をイメージした「蓮の葉盆」などを並べた。

 開会式では夏野修市長や山田順子市議会議長があいさつし、出品者らとテープカットした。展示会場で荒木さんと林さんが作品について紹介した。米道さんは体調不良のため欠席した。

 7月6日午後2時からアーティストトーク、20日同2時から担当学芸員によるギャラリートークがある。休館日は7月8、22日。同館、北日本新聞社主催。

林さんの「酒器一式と砂磨拭漆座卓」
荒木さんが制作した座卓
作品の特徴を伝える林さん(左)
木材を紹介する荒木さん(右)
米道さんの「蓮の葉盆」(手前)
テープカットする関係者

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