東日本大震災の風化「感じる」49.9% 2024年岩手県民意識調査

 

 岩手県は、東日本大震災からの復興に関する2024年県民意識調査の結果をまとめ、風化を「感じる」との回答が49.9%に上った。復興が進んでいると捉える割合が高まる半面、報道の減少や行政による支援の縮小を要因に上げる声が目立った。県は震災の教訓を次世代につなぐため、伝承や情報発信に力を入れる。

 風化が「進んでいる」は19.2%、「やや進んでいる」が30.7%。風化の項目は22年調査から始め、横ばいで推移。半数近くが風化を実感している。「進んでいない」は4.1%、「あまり進んでいない」が9.8%。「どちらとも言えない」25.1%、「分からない・無回答」10.1%だった。

 風化の要因(複数回答)では「新聞やテレビ、インターネットなどメディアでの取り扱いが減少」が最多の50.0%、「自分自身の意識」46.2%、「行政による支援や予算の減少」31.8%、「ボランティアや企業など個人や民間団体による支援の減少」20.6%と続いた。

 調査は12年から毎年行い、今年は1~2月に18歳以上の県民5千人(無作為抽出)を対象に実施。回答率は54.4%だった。

© 株式会社岩手日報社