福岡第一、大会6連覇にあと一歩 「インターハイ決勝でリベンジ」【全九州高校バスケ男子】

福岡大大濠に敗れて悔しがる福岡第一のメンバー

◆全九州高校バスケットボール大会男子決勝 福岡大大濠69―54福岡第一(16日、薩摩川内市・サンアリーナ川内)

福岡第一は大会6連覇を逃した。2日連続で1日2試合を戦うハードな日程で、初日の1回戦で延岡学園(宮崎)、2日目の準決勝で柳ケ浦(大分)と難敵が続き、疲労の色を隠せないままライバル対決に屈した。

伝家の宝刀のオールコートプレスにキレがない。宮本聡と耀(ともに2年)のツインズは「今までで一番というぐらいきつかった。脚が言うことを聞いてくれない状態でした」。経験のない状況に陥り、本来の力を発揮できなかった。

疲労は判断力にも影響した。第2クオーター残り6分21秒には宮本耀のパスを宮本聡と宇田ザイオン(3年)が譲り合う形でキャッチできず、大濠の湧川裕斗主将(同)に奪われた。宇田は速攻を阻もうとした結果、アンスポーツマンライクファウルを宣告された。宮本聡は「あのプレーが試合を象徴していた」と流れを失った瞬間を悔やんだ。

地元の福岡で開催されるインターハイのシードを逃し、残りの1カ月半で土台作りに取り組む。「走り込んで、自分たちにとって一番大切な堅守速攻を見つめ直していきたい」と切り替えた。宮本耀も「試合を通してぶつかり合える筋力的な持久力が足りていない。まだまだ走り込みも足りない」と自らを追い込む覚悟だ。

井手口孝監督にとって、今回の敗戦は準決勝を終えた時点で想定内だった。「脚を動かす体力が残っていなかったね。インターハイ登録の12人はこれから選抜していきます」と競争を促した。今大会最大の収穫は193センチの2年生藤田悠暉。同級生の宮本ツインズとの連係を深め、準決勝の柳ケ浦戦では2人からのアシストを生かし、チーム2位の17点を挙げた。「聡と耀のおかげです。留学生を相手にリバウンドをガツガツ取れたのもよかった」と声を弾ませた。

一方で復調が待たれるのは八田滉仁主将(3年)と崎浜秀寿(2年)のガード陣。ともにけがからの復帰直後でまだ万全ではなかった。八田主将は「悪循環を立て直せず、悔しい。チームの約束ごとを再確認して精度を高めたい」と前を向いた。

ライバルの福岡大大濠とともに勝ち上がれば、ウインターカップに続く〝福岡頂上決戦〟が実現する。宮本耀は「チームとして勝ち上がって、決勝で大濠さんにリベンジしたい」と誓った。

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