『北斗の拳』最もクズなキャラは誰? 世紀末を象徴する“極悪非道”な悪党たち

『北斗の拳 新装版』【画像:(C)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983】

平和な時代からは想像もできない悪党たち

1983年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された漫画『北斗の拳』(原作:武論尊、作画:原哲夫)の生誕40周年を記念し、新作アニメ制作が決定している。舞台は暴力が支配する世紀末。乱世を救う真の救世主へと成長するケンシロウが主人公だ。略奪や殺戮を繰り返す悪党の存在が、ケンシロウの救世主ぶりを際立たせている。そんな悪党の中から、作品を象徴する非道な3人を紹介する。

1人目の悪党は、北斗4兄弟の三男・ジャギだ。北斗神拳伝承者争いに敗れたジャギは、伝承者に選ばれたケンシロウに襲い掛かる。しかし、返り討ちにあって、ケンシロウに顔を歪ませられる結果に。ケンシロウへの恨みの気持ちを増大させたジャギは、胸に7つの傷を刻みケンシロウを詐称して、悪逆の限りを尽くすようになる。

南斗水鳥拳伝承者であるレイの妹・アイリを拉致したり、目元がケンシロウに似た少年に対して炎天下の砂漠を足に重りをつけた状態で歩かせるなど、悪行を続けるジャギにSNS上では「どう考えてもクズ中のクズ」「暴力と狂気が服を着て歩いている極悪非道なキャラ」と辛らつな声が集まっている。

ジャギと同じく悪名高い存在として名前が上がっているのがアミバだ。彼は、レイとともに南斗聖拳を学んでいたが、のちに秘孔の研究に没頭するようになる。天才を自称していた彼は、トキに己の未熟さを指摘されたことで逆恨みし、トキになりすまして残虐な人体実験を続けていた。新たな秘孔を究明し、自己流の北斗神拳を編み出したアミバは、ケンシロウがトキと間違えるほどの実力を身につけた。

人助けだと偽って、平気な顔をして人を殺める姿に「クズだけど天才であったのは間違いなかった」「才能があったのにもったいない」と、SNSでは彼の才能を評価する声もあがっている。

3人目の悪党は、帝都軍総督・ジャコウだ。彼が住む村に北斗4兄弟の長男・ラオウが現れた際、村民が拳王軍と対峙する中、建物の影に隠れていたジャコウ。そんな彼をラオウは見つけ出しジャコウの「自分さえ助かればどうなってもいい」という邪な心を見抜く。ラオウの予測は正しく、その後天帝ルイを人質にとって帝都の実権を握ると悪政を布いて人々を苦しめる。そんな彼にはSNSで「一分の同情も湧かないクズ」「悪党が多く登場するけどジャコウだけは許せない」と感情をあらわにする声が見られる。

ここまで3人の悪党を紹介したが、もし平和な時代に生まれていたら違った生き方をしていたのではないだろうか。というのも、主人公・ケンシロウすら酷いセリフを言ってしまうのがこの時代だ。例えばコミックス1巻「狂乱の殺人者の巻」で、身体の脂肪でどんな攻撃も吸収してしまう「拳法殺し」のハートと戦った際には「ブタはブタ小屋へ行け!」と人間扱いしない暴言を使っている。救世主と呼ばれる主人公ですら、こんな乱暴な言葉を使う時代に、清い心を保って生きるのは難易度が高そうだ。

新作アニメの内容や、放送開始日などの詳細情報はまだ明らかではないが、上記のような悪党が、どのように描かれるのか今から楽しみだ。カキMONO.1

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