病室で桜並木、自宅を再現 福島医大教授ら簡易映像投影開発

「夜の森の桜並木」を映し出した簡易型プロジェクションマッピング

 空間演出などを手がけるUMFエンターテイメントの梅津真樹代表(56)=福島市出身=と福島医大看護学部の黒田るみ教授は、病室にいながら映像を楽しめる簡易型プロジェクションマッピングを共同開発した。22日、郡山市で開かれた日本パラスポーツ看護学会の学術集会でお披露目した。

 映写機は高さ、幅が各約1メートルの円柱形で、重さは60キロ程度。前面は9メートル、上面と左右は4メートルほどの範囲に映像を映し出し、室内で没入感のある空間を表現できるのが特徴だ。1台で済むため通常の映写機より設置が容易で、入院患者らの要望に応じて自宅などを再現することも可能だという。

 学術集会では、富岡町の「夜の森の桜並木」の映像が投影された。梅津代表は「今後は出向く形で映像を提供できる。終末期医療の現場のほか、支援学校や災害時の避難先でも活用できるのではないか」と述べた。

 「パラスポーツを支える看護の基本―安全と休息」をテーマに基調講演やシンポジウムなども行われた。

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