こぼれ球を拾って芸術ループ弾。ヴェルディ翁長聖がプレーを止めなかった2つの理由

[J1第19節]東京V 1-0 名古屋/6月22日/味の素スタジアム

東京ヴェルディは6月22日、味の素スタジアムで行なわれたJ1第19節で名古屋グランパスと対戦し、1-0で勝利した。

この一戦にフル出場し、ゴールを決めて勝利の立役者になったのが翁長聖だ。

52分、右サイドからカウンターを仕掛け、翁長とのワンツーで抜け出した木村勇大が、敵陣に入ったところで名古屋の山中亮輔に背後から引っ張られて倒される。ファウルかと思われ、選手たちの動きが一瞬止まるなか、プレーを止めなかった翁長がこぼれ球を拾ってそのまま持ち運び、芸術的なループシュートでネットを揺らした。

【動画】翁長の芸術ループ弾!
この試合では、Jリーグが審判交流プログラムによって招聘しているイングランド人のダレン・イングランド氏が主審を担当していた。それも少なからず影響しているだろうが、ダレン主審は接触プレーでのファウルにアドバンテージを適用する傾向が強かった。

実際、翁長も得点の場面を「たぶんファウルだったと思うんですけど、今日の審判は流すって全員が認知していたので、あそこで追いかけた」と振り返る。

また、東京Vの城福浩監督は普段から、主審が笛を吹くまでプレーを止めないことを選手に徹底させており、「ハーフタイムに監督からもそれを言われたので、意識しながらやっていた」と翁長も語る。

ちなみにループシュートは「狙い通り」だったようで、「最初は中に(クロスを)上げようとしていたんですけど、ディフェンスが完全に中にいたし、キーパーと1対1になって、キーパーが出てきたので、ループの手段も持ちつつ、最後の判断でそうしたのが上手くいった」と明かした。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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