「ボールを握ろうとしていないというか...」湘南の小野瀬康介が感じるチームの変化「最初の選択で前を狙う」

6月22日、湘南ベルマーレはJ1第19節でFC東京とホームで戦う。

シーズン前半戦の最後となる一戦で鍵を握りそうなのが、小野瀬康介だ。6月に入って負傷離脱から復帰した背番号88は、前節の名古屋グランパス戦(1-1)に3-5-2の左ウイングバックで先発し、貴重な同点弾をマーク。状態は良好だと語る。

「(名古屋戦後に)連休があったので、仕事に行かなくていいという状況で、心のリフレッシュができましたね。2日も休めば身体は80%くらい回復するので、良い状態で今週の練習に臨めているし、名古屋戦のゴールも自信になっています」

小野瀬は、昨季の10月に左ハムストリングスを怪我し、復帰することなくシーズンが終了。今季は3月30日の第5節・セレッソ大阪で初出場も、4月中旬のトレーニングで負傷し、右半腱様筋損傷の診断で再離脱を余儀なくされていた。

【動画】名古屋戦の小野瀬の同点ゴール!
離脱期間が長かった小野瀬は、昨季からのチームの変化を次のように感じているという。

「やり方は、僕が去年の離脱前までにやっていたものと比べると変わっている気がします。より最初の選択肢で前を狙うという意識付けがされている印象です。ボールを握ろうとしていないというか、よりゴールに近づくアクションを見ていこうという声が多い。守備でも、切り替えの強度は前以上に口酸っぱく言われている分、みんなが意識してやれているし、できなければ試合に出られないので、レベルは高まってきています」

スタイルの軸はそのままに、少しずつ形を変えている山口智監督のサッカーの中で、小野瀬はどのように自らの武器を見せるのか。

「出し手がフリーでパスを出せる状況なら僕もアクションを起こしますけど、出し手が困っている状況や他の誰かが背後を狙っているなら、自分は受けに行くというのを意識しています。今は左ウイングバックなので、3バックの左の選手を助ける動きやシャドー(サイドボランチ)との関わり方に加え、いかに自分が前を向けるかというところにフォーカスしています」

6月19日の公開練習では、小野瀬の復帰前に左ウイングバックを務めていた畑大雅も怪我から戻ってきた。杉岡大暉や吉田新を含めて、同ポジションの熾烈なレギュラー争いも注目だ。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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