池ポチャは「欲まみれ」 チップイン披露も松山英樹は後退のムービングデー

伸ばし切れない消化不良のラウンドが続く (Andy Lyons/Getty Images)

◇米国男子◇トラベラーズ選手権3日目(22日)◇TPCリバーハイランズ(コネチカット州)◇6835yd(パー70)

深いラフからウェッジでフワリと浮かせた前半5番(パー3)の第2打は、フックラインを伝ってカップに消えた。「ティショットを打った時点では『最悪だ』と思ったんですけど、現場(2打目地点)に行ったら意外と、『うん、寄るな』と思って。打った瞬間『入る』みたいな感じだった」

開始4ホールでパーを並べた直後のチップインバーディに、ニューヨーク州のお隣、コネチカット州の熱狂的なファンは大騒ぎ。松山英樹は笑顔で応えたものの、見せ場がピンチをしのいだ場面ばかりでは望んだゲーム運びとは言えない。

5アンダー21位からの浮上を目指したムービングデー。前日までの2日間で、ティショットに3Iを選んだ9番ではこの日、3Wを握る積極策を取った。ウェッジでピン手前2.5mのチャンスを作り、2つ目のバーディ。さらに勢いづきたい後半の入り口付近で、パッティングがさび付いた。

11番(パー3)はピン左から、12番は手前からいずれも3mのバーディパットを外した。1Wショットをフェアウェイに置き、絶好機と思われた13番(パー5)で残り210ydの2打目を5Iで池に入れた。「11、12番と(パットを)外して、絶対に2オンしたい、チャンスに付けたい…と“欲まみれ”でした」と大いに反省する一打。14番までボギーを2つ続けた。

苦しんだグリーン上。「初日に良い感じで打っていたんですけど、2日目にうまく打てなくて、きょうも同じような感じ、しっくりこなかった。細かいことだと思うんですけど」。ショットとのかみ合わせ、全体の流れの悪さはなんとも意外な形でも現れた。

午後3時半、雷雲が接近したため一時中断を余儀なくされた。松山のプレーが止まったのは、前日と全く同じ17番の第2打の直前。待機時間が3時間14分だった2日目に対し、この日は2時間50分。「あしたはないと期待しています」と苦笑いするしかなかった。

3バーディ、2ボギーで2日続いた「69」にはもどかしさがある。通算6アンダーは34位と上位の背中が遠くなった。最終日は8位だった「ザ・メモリアルトーナメント」、6位で終えた「全米オープン」に続く3連戦のラストラウンド。「ショットは3試合できょうが一番マシで、方向性が見えてきた感じがある。パッティングはこの2週間、少し良かったものをあした出せるようにしたい」と汗をぬぐった。(コネチカット州クロムウェル/桂川洋一)

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