【浦和-鹿島】最高の雰囲気のなか劇的ドロー→自チームへ両者ブーイング→そのあと痺れる光景が…

鈴木優磨は真のエースだと証明し、武田英寿が新たなヒーローに。

[J1 19節] 浦和 2–2 鹿島/2024年6月22日19:00/埼玉スタジアム2002

J1リーグ19節、浦和レッズ – 鹿島アントラーズの一戦は、鹿島の鈴木優磨、途中出場した武田英寿の2ゴールにより2-2の引き分けに終わった。

負けだけは許されない――。両チームのサポーターの思いと高まるボルテージに、スタジアムは包まれた。ただ最近はリーグ4試合引き分け。昨季は2試合ともスコアレスドローに終わり、どちらかというと両者ともに”勝利”より”負けたくない”という意識のほうがやや感じられる内容ではあった。

より攻撃性を重視した監督が就任した今季最初の両チームの対戦、前半は「鈴木優磨が試合を支配していた。素晴らしいFWぶりを見せつけられた」とペア=マティアス・ヘグモ監督も唸ったが、鹿島のエース鈴木が2ゴールを奪ってみせた。

そして「4-4-1-1」(ヘグモ監督)の布陣にした後半の浦和は途中出場したブライアン・リンセンや武田が局面で上回っていく。そして武田がJ1&埼スタ初を含む2ゴールを決めて、土壇場で追い付いた。

試合終了後、まさかの追い付かれた展開に、鹿島サポーターは選手たちにまずブーイングを響かせた。目の前に迫っていた埼スタでの勝利を逃し、その無念さが込められていた。

しかし、そのあとはブーイングを大きく上回る声援と拍手が送られた。そしてチームのチャントが歌われ、選手を後押しした。首位と2ポイント差の2位(3位ガンバ大阪と同勝点)での折り返しは上々と言える。しかも26日にはG大阪、30日には4ポイント差で4位のヴィッセル神戸との対決が続く。

一方、劇的な展開で追い付いた浦和だが、選手たちがゴール裏に来ると、拍手とともに、一部から大きなブーイングが飛んだ。”引き分けで満足するな”――もちろん相手が鹿島であったことの意味も込められていた。それまで笑顔を浮かべていた選手の中には、まさかのブーイングに驚いた様子の選手もいた。

ただしそこに、DAZNのフラッシュインタビューを終えた武田が一人で、ファンに挨拶をしながらスタジアムを周回。最後にゴール裏に来ると、この日最大の拍手が送られた。そしてブーイングなど大きく上回る熱いオベーションが、武田に降り注いだ。

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浦和-鹿島の一戦が、ファン・サポーターにとって特別なカードであることを印象付ける夜に。その舞台で、鹿島の鈴木優磨は改めて真のエースであると証明し、そして22歳の武田英寿はこれからが楽しみな浦和の新たなヒーローとなった。

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