「爆笑問題の深海 WANTED」10年目に感慨「20年を目指しますか!」と長期継続に意欲

フジテレビ系では7月7日に、深海の神秘に迫る番組の第10弾「爆笑問題の深海 WANTED 10」(月曜午後10:00=テレビ静岡)を放送。このたび開催された取材会に、MCの爆笑問題太田光田中裕二)と岸壁幼魚採集家の鈴木香里武氏が出席。番組の見どころや、深海魚の魅力について語った。

2015年に第1回を放送した「爆笑問題の深海 WANTED」では、深海の神秘にさまざまな角度から迫り、研究機関も驚くほどの激レアな深海生物の撮影・捕獲・展示に成功してきた。95%が未知の世界と言われる深海では、今も世界中で新種発見が相次いでいるという。

記念すべき10回目となる今回のテーマは、「新種の深海生物を探せ!」。新種発見のミッションを達成するため、沖縄・久米島を調査した。自然豊かで美しい久米島は、周囲を水深1000m超えの深海に囲まれており、未だ調査の及んでいないエリアが多く新種発見も期待できる。

昨年に引き続き、海を愛する男・照英が、5日間という限られた期間の中で、久米島の海の表層・中層・海底を徹底調査し新種発見に挑む。

さらに、第1回からMCをつとめる爆笑問題は、10年目にして初めてスタジオを飛び出し、秋元真夏とともにサンシャイン水族館へ。ここで、激レア深海生物の貴重な“ある姿”の撮影に挑戦するほか、水中ドローンの操作にも挑んだ。

10回目の記念すべき放送を迎えて、太田は「10年と聞くと、ずいぶん続いたなというか、長寿番組になったんだなという気がします。『深海 WANTED』のスケジュールが入ると、今年もこの季節がきたなと…。毎回、新しい発見が絶対にある貴重な番組」としみじみ。

そして、太田から「どこまで続けようか?」と聞かれた田中は「できる限りは!」と意欲的だが、それを聞いた太田が「20年を目指しますか!」と提案すると、その頃、2人は69歳になっていることが発覚。不安を覚えた太田は「世の中も激変していますから、僕も(その時まで)楽しみにしたいと思いますけど…」とお茶をにごした。

続けて鈴木氏が「第6回から参加させていただいたのですが、それまでは“深海ファン”として第1弾からテレビで見ていました。番組のどこを切り取っても面白いのですが、この10年間で、深海を覗く技術や人々の知識も感覚もどんどん鋭くなって。第10弾は番組を通して深海研究が発展しているなと改めて感じる内容でした。ただのバラエティー番組ではなく、研究の一助になっているなと感じています」と専門家からの視点でコメント。

サンシャイン水族館でのロケについて聞かれた太田は「水槽をバックにロケをしているので、エイとかサメが泳いでいる画がすごいのですが、『これクロマキー(背景を合成する技術)に見えるな』と思っちゃって、スタジオでよかったんじゃないかと…」と話すと、田中が慌てて背景のロケをしに行ったワケではないと太田の発言を制し、「われわれがいろいろなことにチャレンジしているのでね」とアピール。ところが太田の発言は止まらず「画面的には合成に見えるなと思いつつやっていました」と、さらに強調してスタッフを凍りつかせた。

すると鈴木氏が「魚たちを前に収録ができると思って、ワクワクして朝起きたのですが、われわれは魚の方を見ていないんですよ。魚を見ながらしゃべりたい気持ちを抑えている僕たちの後ろに、魚たちがたくさんいます。テレビでは非常にキレイに映っているだろうなと思います」とフォロー。それを聞いて考え直したのか、太田も「来年は沖縄美ら海水族館でやりますか」と乗り気の様子。

番組では、これまでにも沖縄美ら海水族館に何度か協力を得ており、今回も激レア深海生物の捕獲をするロケでお世話になった。そんな貴重なVTRを見た鈴木氏は、「この番組では、新種を発見しに行くという壮大なことに挑戦しています。普通は研究者じゃないと行けないような場所で、研究者にしか分からない方法で新種を捕獲しているようなお堅いイメージがあるけれども、今回は、われわれでも新種をいかにして見つけていくかという別の入り口を見せてくれたなと」と感激していた。

深海生物の魅力について、田中は「暗闇の中で生きているということが、われわれからしたらどんな感じなのか想像ができない。(映像を見ながら)こんな感じかなと想像するけど、ライトを当てて撮影しているので本当ははそうではない。そういう(真実が分からない)ところが一番神秘的。闇の中で深海魚にライトを当てるとキレイに光っているので、ミステリアスで魅力的だなと思います」と語り、太田も「マグロやイワシとか、よく目にする魚とは全く違って、宇宙人を見ている感じかも。不思議と何色にも光っていうのはどういうことなのか。まるで、人間に(キレイでしょと)見せつけているよう。プロジェクションマッピングみたいな感じですよね」と分析した。

一方、鈴木氏は「深海漁はグロテスクだと言われますが、突拍子もない姿、形、全てにそうあるべき物語があるというか、生きざまがあるんですよね。水圧も高くて、真っ暗で、餌も少ないという過酷な世界で生きるためには、普通の顔では難しくて。目が大きかったり小さかったり、いろいろな方向の進化があって、その奥深さに僕はほれ込んでいます。この番組でも、エイリアンっぽいさまざまな深海魚が見つかっていますが、その全てに生きざまが感じられてすてきですね」と解説した。

さらに太田が「透き通っているのは不思議だよね。レースみたいな感じなのか、ネオンみたいにピカピカと」と言うと、鈴木氏が「ネオンのように見えているのは、深海魚が発光しているのではなくて、光を当てた時にシャボン玉が虹色に輝く感じです。細かい毛みたいなものが光を反射するとネオンのように見えるんです。もちろん発光している生き物もいるんだけども、深海魚は本来だったら光のない世界で生きているから、ああは見えないんです」と教えてくれた。

その後、鈴木氏が感じている爆笑問題の2人の魅力や、これまでの放送で忘れられない深海魚の話、この番組が目指すゴールはどこにあるのかなどさまざまなトークで盛り上がり取材会は終了した。

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