不法滞在者に無許可で車貸し出し、インドネシア人の男に懲役2年求刑 群馬・前橋地裁公判

 インドネシア人コミュニティーで不法滞在者らに車が貸し出されていた事件で、電磁的公正証書原本不実記録・同供用などの罪に問われた栃木県佐野市、インドネシア人の会社員の男(46)の論告求刑公判が22日までに、前橋地裁(山下博司裁判官)であった。検察側は「不法残留や無免許運転を助長する犯行で強い非難に値する」として、懲役2年、罰金50万円を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求めて結審した。

 被告人質問で、男は「責任を持って運転できると思った人に貸した。困っている人を助けたかった。利益を得るためではない」と説明。貸し出す際に運転免許証を確認せず、利用者には無免許の不法滞在者が多くいたという。

 論告によると、仲間と共謀して、22年9月8日と昨年2月16日、関東運輸局栃木運輸支局佐野自動車検査登録事務所で、所有者を偽って乗用車を登録。国の許可を受けずに同市内で、同国籍で栃木県佐野市の自動車整備業の男(52)=道路運送法違反などで有罪判決=と共謀して、車の使用者ではない3人に月1万2000~2万5000円で車計3台を貸し渡したとされる。

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