“打てるキャッチャー” へ 持丸泰輝(広島カープ)2軍で輝く育成出身の22歳

2年目を迎えた新井カープは、“育成出身選手” の活躍が目立っています。4年目の 二俣翔一 選手は、4月にプロ初ヒット・初ホームランを記録しました。育成2位ルーキーの 佐藤啓介 は、2軍で3割5分の打率を残し、今月、支配下登録を勝ち取り、交流戦では初ヒットも放ちました。

そして、2軍にはまだまだいます、期待の星。育成出身・高卒5年目の22歳、持丸泰輝 。“打てるキャッチャー” として1軍昇格を虎視眈々と狙っています。

持丸泰輝(6月20日時点) 打率.319 1HR 6月月間打率.391

2019年秋のドラフトで育成1位で入団したキャッチャー・持丸泰輝 。5年目の今シーズンは、バッティングで調子を上げて、2年ぶりの1軍昇格を狙っています。

ことし1月、先輩・松山竜平 の自主トレ「竜平会」に持丸の姿が…。バッティングの向上を目指し、初めて合同での自主トレに参加しました。

広島カープ 持丸泰輝 選手
「ヤバいなっていう危機感も持ちながら自分一人でやるのも限界だなと思ったので、同じ左バッターで “松さん” にお願いして…」

特に弱かった上半身の強化に励みました。

持丸泰輝 選手
「上半身をもうちょっとうまく使った中で、下から連動できたらいいなというイメージでやっています。低目だったり、いろんなボールに対して、いろんなところで対応できるようになってきたなあっていうのと、ある程度、自分が思ったような打球を飛ばせるようになったのかなっていうふうに…。なんとか率を残してやっていかないといけないのかなと思いますし、もっともっと確実性を上げてやっていきたいなというふうに思っています」

手応えをつかんだ自主トレ…。しかし、開幕は2軍スタート。さらに調子を落としたため、新井良太 コーチらの助言でバットを短く持つフォームに変更しました。

持丸泰輝 選手
「短く持っただけで自分の中でコンパクトなスイングができるという意識にもつながったので、一番、そこが大きく変わったかなというのはありますけど」

4月に入ると、8試合連続安打を放つなど打率が向上。4月28日にタイムリースリーベースを放ち、3割の大台に乗せます。

その後、また6試合ヒットが出ず、調子落ちを経験しますが…

持丸泰輝 選手
「悪い時こそ、やっぱり、みんな考えがちなんですけど、悪いときにちょっといい意味で適当にやってみるとか、今までの自分を捨て切れて、新しい自分に割り切って今、挑めているなという感覚があります」

修正力を身につけて5月下旬から復活。2度の猛打賞を含む5試合連続マルチヒットを記録すると、短く持ったバットからついに快音が…。今シーズンの1号ホームランを放ちます。

持丸泰輝 選手
「自分の中でもない感覚だったし、すごく野球の楽しさっていうのをあらためてそこでなんか実感したので。本当、1軍に上がることしか考えていないので、今。課題はやっぱり守備だと思うので。いくら打っても守備がダメだったら1軍に呼ばれないし、入るすきもないと思うので、配球だったり、ワンバン(ワンバウンド)を止めるだったり、守りから入れるというところは大事にしていきたい。松さんも見てくれていると思うのでね。なんとか自主トレ、一緒にやらせてもらって、いろんなことを教えていただいたので、結果で恩返しできるようにがんばりたいと思います」

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小宅世人 アナウンサー
竜平会の成果が出ている高卒5年目の持丸選手ですが、世代でいいますと去年のドラフト1位・常廣羽也斗 投手と同じ世代、大卒1年目と同じなんです。その常廣投手と1軍の舞台でバッテリーを組む姿も見たいです。

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