「気力は十分」岸田首相、疲労指摘され反論も「国民は疲れ切ってる」「こっちの気力がもたない」SNS憤激

「疲れ」を否定した岸田首相

6月21日に首相官邸でおこなわれた国会閉会に伴う記者会見。その最後で、記者から岸田文雄首相に対し「お疲れかどうか?」といった質問が出ると、首相は笑みを浮かべながら「疲れが見えているとしたら、私の不徳の致すところ。気力は十分みなぎってるので、やる気、気力これからもしっかり示していきたい。決して疲れていると申し上げるつもりは全くない」と答えた。

「終盤国会は日程が立て込んだうえ、G7サミットなどに出席するためイタリアとスイスを訪問したので疲れは溜まっていたはずです。

さらに国民民主党の玉木雄一郎代表が、『ザルに申し訳ないですね。ザルの方がもっと物がすくえる。もう穴が開きまくっている』と酷評した政治資金規正法改正案を『数の力』で採決。日本維新の会と党首間で合意した『調査研究広報滞在費(旧文通費)』の改革案も、衆院の採決後に反故にするなど強引な対応をしたため、かなり消耗したようです」(政治担当記者)

だがSNSには、《こっちの気力がもたないよ 国民のライフはもうすでにゼロ…》《国民は疲れ切ってるの自覚しろ》など憤懣のブーメランポストが見受けられた。

そして9月には自民党総裁選を迎える。岸田首相は21日の会見で、「道半ば」「1つでも2つでも結果を出すよう努力する」と続投に向けた意欲を隠そうとしなかったが、それを無視するかのように、麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長が“岸田下ろし”に向けて動き始めたようだ。

「きっかけは麻生氏の反対を押し切り、パーティー券購入者の公開基準額を現在の『20万円を超える』から『5万円を超える』に引き下げたことです。6月16日には麻生派の斎藤洋明衆院議員が新潟県新発田市の会合で、麻生氏の講演後に『責任は最終的に誰かがとらなければならない』と岸田首相への退陣要求とも取れる発言をしました。

この発言があった2日後の18日、岸田首相は麻生氏と2人きりで長時間の会食をしました。しかし、溝は埋まらなかったようです」(永田町関係者)

さらに6月22日、今度は茂木派の東国幹衆院議員が北海道旭川市での会合で「この半年や1年の党のてんまつをかえりみると、岸田総理大臣はゆめゆめ再選などと軽々しく口にするのではなく、思いとどまって、むしろ党に新しい扉を開く橋渡し役を担ってほしい」とぶち上げた。この会合には、茂木氏も出席して講演をしていた。

ある自民党関係者は「岸田政権は末期の様相」と語るが、SNSでは

《自分のところの派閥の長は責任取ってないんだが》

《岸田氏を退陣させてどうにかなる問題だろうか》

《勘違いしてないか?「誰かが」じゃなくて国会議員一人一人の責任だろうが!》

《それだけ気に入らないなら自民党から自分が出ていけばいい》

と、逆襲されてしまう展開に。どうやら「政権末期」というより「自民党末期」のようである。

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