自伝『お前、誰だよ!』出版から約1年。8年ぶり単独ライブを控えた芸人TAIGAの現在地

昨年、初の著書『お前、誰だよ! -TAIGA晩成 史上初!売れてない芸人自伝-』(小社刊)を発表したピン芸人TAIGA。発売から約1年、40代後半を迎えた芸人は今、初心に戻ろうと、6月28日(金)に東京・西新宿ナルゲキで8年ぶりの単独ライブ『It’s show TAIGA 2024』を開催するという。ウーバーイーツの配達の合い間に、意気込みを語ってもらった。

▲TAIGA【WANI BOOKS-“NewsCrunch”-Interview】

最初はチケットが8枚しか売れなかった初単独の恐怖

「音楽やゲストを交えた『TAIGAフェス』はやっていましたが、単独ライブは8年ぶり。緊張もありますが、やっぱり単独はワクワクも大きいです。今回の会場はお笑いファンにはお馴染みの『ナルゲキ』。チケット予約などはK-PROさんが面倒見てくれているので、ネタに集中できてすごい助かってます」

書籍『お前、誰だよ!』では、2008年の第一回の単独ライブ開催についても綴っている。

「そうそう懐かしいですねぇ。200人のキャパで最初はチケットが8枚しか売れなくて……。そしたら、学生時代に一緒にやんちゃしていた仲間だったり、友人知人たちがたくさんお客さんを呼んでくれたんです。ライブの会場前にはやんちゃ仲間のベンツやセンチュリーが停まっていてね。うれしかったですし、いつか売れて恩返しするんだって誓ったんです。まあ、まだまだ売れてないんですけど(苦笑)」

昨年は、若手時代を一緒に過ごしたオードリーの半生を描いたテレビドラマ『だが、情熱はある』にも出演。芸人以外の活動も増えているが、自身の根っこはお笑いにあるという。

「ネタは僕が一番大事にしているところです。僕が作っているのは、僕じゃなきゃ面白くできないネタ。どこかで見たようなネタっはやりたくないですし、“あれ、意外と真剣にネタづくりしてるんじゃん”って感じてほしいです。単独ライブはほぼ新ネタなので、楽しんでもらえると思います」

40代後半を迎えたからこそ、新しい意見を取り入れる柔軟さも忘れない。

「先日、水曜日のカンパネラ・詩羽さんのラジオに出たときに、『子どもがわかるようなモチーフを入れたほうがわかりやすいし、バズるかも』という意見をいただいたときは“さすがだな”って思いましたね。ありがたかったです。今はネタをどんどん面白く、さらに広く受け入れていただけるように、磨き続けているところです」

▲現在もウーバーイーツをやめられるまでは至っていない

「ネタ面白いんだね」と知ってほしい

今回の単独ライブは、じつに8年ぶり。開催にあたって強く意識したライバルがいた。

「ライバルというのもおこがましいですが、オードリーですね。本でも久しぶりに若林と春日と3人で鼎談させてもらいましたけど、彼らはオールナイトニッポンの15年記念イベントで東京ドームを満員にしました。それには本当に刺激をもらいましたね。

彼らはすでに第一戦で活躍してるから、これ以上、頑張らなくてもいいという見方もあるのに、すごいことをしちゃった。あんな伝説を見たら、芸人だったら燃え上がるでしょう。ここでもう1個ギアを上げて、もう一つ上のステージに行きたい。そんな気持ちにさせてくれたことに感謝しています」

▲後輩のオードリーにはいつも刺激を受けている

ありがたいことに、CMなどお笑い以外の仕事もちょくちょく来るようになった。ただ、繰り返しになるが、自分の武器を磨き続ける。

「僕が最近、テレビで披露している、モノマネシェイクや万歩計のネタも、じつは20年前に作ったものなんですね。だけど、それが今頃スポットを浴びて、昨年はアメリカにも行けましたし、テレビにも呼んでもらえるようになりました。

やはり、ネタは芸人にとって最高の武器なんだなって再確認したんです。武器さえあれば、いつだってテレビに呼んでもらえる。単独ライブはそれを磨く場所なんです。『TAIGAって頑張ってるお父さんみたいなイメージだったけど、ネタ面白いんだね』って一人でも多くの方に知ってほしいです」

最後に単独開催にあたっての意気込みをアツく語ってくれた。

「物価が値上がりしまくってるご時世ですが、今回の単独ライブのチケットは2500円。昔と変わらない値段でやらせてもらいます。『チケットの値段をもう少し上げたら』って声もあったんですが、今回は上げませんでした。

なぜなら、初心を大事にしたいと思ったから。最初の単独でガチガチに緊張して膝が震えそうになった、あのときと同じ新鮮な気持ちで今回もステージに立ちたいんです。みんなの笑顔に会えるのを楽しみにしています。チケット買ってね! よろしく!」

▲「単独ライブ前にもウーバーやってから会場に行きます」と笑顔で帰っていった

(取材:キンマサタカ)


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