松江城・馬溜で高さ10メートル超の松倒れる 警報級の大雨で列車運休や河川氾濫 山陰両県

大雨と強風で倒れた松の大木=23日午後0時57分、松江市殿町、松江城馬溜

 山陰両県は23日、梅雨前線や低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で断続的に雨が降った。島根県は隠岐を除く全域で、鳥取県も一部で大雨警報が発令され、倒木や列車の運休、河川の水位上昇などの影響があった。雨は峠を越えたが、松江地方気象台によると向こう1週間は雨が続く見通しで、土砂災害や川の増水、氾濫に警戒を呼びかけている。

 松江、鳥取両地方気象台によると、23日午後5時半までの24時間降水量は、大田134ミリ▽佐田(出雲市)120ミリ▽松江115.5ミリ▽大山(鳥取県大山町)141ミリ―など。匹見(益田市)や大田、瑞穂(島根県邑南町)などでは1時間に30ミリ前後の激しい雨が降った。鳥取でも大山で1時間に38ミリ、青谷(鳥取市)で34ミリを記録した。

 松江城山公園(松江市殿町)の馬溜(うまだまり)では午前6時ごろ、高さ約10メートルを超す松が根元から折れているのが見つかった。公園管理事務所は強風と大雨で倒れたとみている。けが人はいなかった。観光客らが倒木した付近で立ち止まり、カメラを向ける光景が見られた。

 松江市によると、このほか倒木、落石、河川の越水が各1件あった。

 JR西日本中国統括本部は、山陰線の松江-浜田間や、木次線の宍道-備後落合間など中国地方の12線区で運転を見合わせた。同本部によると、対象区間が広く、運休本数や影響者数は公表できないとしている。木次線を走る臨時快速列車あめつちと、木次線の出雲横田-備後落合間は24日も運休する。

 一畑電車は、出雲市平田町を流れる湯谷川が氾濫し、線路に冠水箇所が確認されたとして午後1時45分以降、全線で運転を見合わせた。36本が運休し、約720人に影響が出た。

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