必要なのは「技術の“深さ”」 片山晋呉から見たゴルファー臼井麗香

キャディの片山晋呉(左)から見た臼井麗香とは(撮影/松本朝子)

◇国内女子◇アース・モンダミンカップ4日目(23日)◇カメリアヒルズCC(千葉)◇6688yd(パー72)◇雨(観衆1500人)

今週、臼井麗香のキャディを務めているのは、永久シードプレーヤーの片山晋呉。普段、男子ツアーやシニアツアーを戦う片山がバッグを担ぐのは、“ジャンボ”こと尾崎将司に起用された1990年の男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」以来、34年ぶりだ。

今季3月「アクサレディス」でツアー初優勝を挙げた臼井のプレーを54ホール見た片山は、「戦い方と打ち方を知らないだけ。ポテンシャルはすごく良いものを持っているし、根性もある。でも、僕が教えると『初めて聞きました』っていうことが多すぎる」と評した。

永久シードプレーヤーから多くの学びを得ている(撮影/松本朝子)

1995年にツアーデビューした片山は、これまでに通算31勝を積み上げた。2001年のメジャー「全米プロ」で4位に入り、09年「マスターズ」では当時日本人最高成績の4位に食い込んだ。世界のトッププロと同じ舞台で戦った経験、培った技術を惜しげもなく若手に伝えている。

「例えば、ツアーセッティングのラフからの打ち方とかは、スイングコーチだとなかなか教えられない。『こういうライの状況で、風がこういう時はこうした方が一番安全』みたいなやり方がまだ分かってないから、もったいないなと」

一打、一打が勉強(撮影/松本朝子)

今の臼井に必要なのは、“ゴルフ脳”を鍛えることだという。「僕も打ち方とかを聞かれたら答えるけど…。自分で気づかなきゃいけないこともあれば、教えられないと全然できない場合もある。でも、そういうのを何個か知れば、自分の技術に“深さ”が出てくる。(臼井は)一球、一球ではまったく他に負けてないし、もっと上のレベルでやってほしいからね」。25歳の後輩に寄せる期待は大きい。

今週は度重なる荒天で競技が中断。最終日までに72ホールを完遂できず、予備日を使用して3年ぶり、ツアー史上4度目の月曜決着となった。当初は別の用事が入っていたという片山だが、「セルフはダメだし、(代わりは)誰もいないから、やるしかないでしょ。彼女に頑張ってほしいからね」。51歳は最終ホールまで臼井を支えるつもりだ。(千葉県袖ケ浦市/内山孝志朗)

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