IWGP女子王座戦は試合中の事故でレフェリーストップ!救急搬送となった挑戦者へ「引退しちゃダメだよ」

23日、後楽園ホールにてアイスリボン『雨のち、リボン2024』が開催。第4試合では岩谷麻優の持つIWGP女子王座に藤本つかさが挑戦した。

スターダムとアイスリボンの間には、様々な“大人の事情”が存在する。
2016年には【サンダーロック】紫雷イオ&岩谷麻優がアイスリボンに乗り込んできて【ベストフレンズ】藤本つかさ&中島安里紗と対戦することが決定的となったものの、“色々”あってこの試合は消滅。
さらに、2019年にはジュリアがアイスリボンからスターダムへの移籍を強行したり、アイスリボンを退団してからスターダムへ参戦した選手がリング上で古巣を悪しざまに言ったり、「プロレスでハッピー」というアイスリボンのスローガンがスターダムのリングでネタにされることがあったりと亀裂をさらに深めていった。
両団体間に生まれた溝は修復不可能なものになったかと思われていたが、今年4月のSTARDOM横浜BUNTAI大会にて藤本つかさが岩谷の前に現れて会場は騒然。
藤本が「スターダムさんとは“色々”ありまして。引き抜き問題とか?ベストフレンズvsサンダーロック消滅問題とか?私のパートナー中島安里紗、引退しちゃうんです。かた~い鎖がかかった禁断の扉、そろそろ開きませんか?スターダムのアイコン、楽しみにしてる。アイスリボンの象徴より♪」と不敵な笑みを称えながら宣戦布告。
5月のSTARDOM横浜武道館大会で【アイコンタクト】岩谷麻優&羽南vs【ベストフレンズ】藤本つかさ&中島安里紗が行われたが、ベストフレンズがボコボコに蹴り続け心を折る試合で圧勝。
ボロボロの状態でマイクを取った岩谷は、「ベストフレンズ、めちゃくちゃ強すぎるって!ちょっと、久しぶりに心が折れました……。まだまだ、まだまだやっぱりスターダムでやり残したこと、たくさんあるんだって実感しました。自分より強い相手、必ず倒す!だから!次、藤本つかさ!IWGPかけて私と闘ってください!」と絶叫し、藤本が「分かってるよ。岩谷麻優はこんなもんじゃないって。IWGP是非やらせてください。だけど1つ条件があります。次、対戦するときはウチのリングに来い!」とアイスのリングでのIWGP女子王座戦をぶち上げこの日の試合が決定した。

岩谷のセコンドにはSTARSがつき全員でロープを上げる。続いて立会人の永田裕志がリングに上がりタイトルマッチ宣言。岩谷から永田にベルトが返還され試合が開始。
じっくりとしたリストの取り合いからアームドラッグの応酬となり、サッカーボールキックも自ら座って相手に蹴りを促す我慢比べに。岩谷がトペ・スイシーダを発射すれば、藤本は肩車して場外に投げ捨てるとエプロンを走り込んでのサッカーボールキック。フラつく岩谷の髪を掴んでリングに投げ入れ、藤本がビーナスシュート(=コーナートップに駆け上がっての三角蹴り)を放つも着地時に藤本が右腕を脱臼した模様。
藤本は何事もなかったかのようにカサドーラを仕掛け、岩谷はこれをキャッチしてジャーマンで叩きつける。これで完全に右腕が使えなくなり、岩谷のエルボー連打に藤本は左腕でのビンタで返し、藤本の異変を察したレフェリーが試合を止めた。

試合を続けようとする藤本をレフェリーが制し、藤本は放心状態でリングに座り込む。その藤本へ岩谷は「藤本お疲れ様!脱臼、痛いよね。自分も赤いベルト、試合開始2分30秒でヒジ脱臼してチャンピオン剥奪されて(2017年9月:トニー・ストーム戦)、あなたよく今リングに立ってられるね。すごいね!藤本とんでもねーな!自分だったらすぐ控室行って、すぐ救急車呼んで、すぐ病院に行くけど、あなたやっぱりアイスリボンの象徴。戦って、あなたの強さ感じることができました。このベルト、正式に勝って、あなたから勝って!女子プロレスのアイコンだと言いたかったけど、引退しちゃダメだよまだまだ全然先、限定復帰とか、まだまだできんじゃん!限定復帰とかじゃなくて、また怪我治して、次またその時まで、このベルトのチャンピオンでいるから絶対!怪我が治るまで絶対待ってるから!ちゃんと治して、このベルトをかけて、もう一度私と戦ってください(藤本と握手)またやりましょう絶対。ありがとうございました」とエールを贈った。

藤本は2022年に結婚妊娠し休業へ。2023年3月に第一子を出産し、今年の8・23後楽園ホールで引退する中島安里紗の引退ロードに寄り添うため4月より8月までの限定復帰。デビューから16年、怪我による長期欠場はしてこなかったが、星いぶき&松下楓歩という若手エースの欠場を埋めるためフル参戦していたダメージが溜まっていたのかもしれない。
今後の他団体参戦も発表済みだが、救急車で病院へ直行した藤本の報告が待たれる。

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