富山県内就職支援へ県立大・富山大生が会社設立 企業と若者マッチング

記者会見で事業内容について説明する加藤さん(左から2人目)や平野さん(同3人目)ら=射水市西高木

 富山県立大と富山大の学生らが、就職活動の支援などを目的とした株式会社「トワクル」を設立した。学生が就活で重視する「本音」に関するアンケートを行い、企業に情報提供するほか、県内の若手社員と学生の交流イベントも開催する。23日は役員の学生らが射水市内で会見し、事業計画などを発表。若者の県内企業への就職を後押しすることに意欲を語った。

 新会社は、県立大大学院2年で2022年にシステム開発の会社を起業した加藤哲朗さん(25)や、富山大4年で広告制作などの事業を興した平野匠人さん(22)らが4月に設立。2人に加え、一般社団法人「とやまのめ」や県立大教授らが出資した。

 学生優位の「売り手市場」で採用難が続く企業と、県内での就職に不安を抱える学生をマッチングする役割を担う。社名の「トワクル」は、「富山の若者でつくる」をもじって命名した。

 具体的な事業計画としては、学生の声を通信アプリLINE(ライン)で集めるアンケート調査を行う。学生の起業を支援する一般社団法人で試験的に行っていたアンケート調査を継続する形で事業化し、就職時に企業に求めることなどのデータを大学や県内企業、行政に提供。採用活動に役立ててもらう。

 このほか、学生と企業側が交流を深められるよう、小規模の就活イベントも開く。第1弾として29日に富山市内で開催する交流会には、県内のものづくり企業10社の若手社員が参加するという。

 23日に射水市西高木の古民家で開いた記者会見には、役員や協力する学生らが出席。4月に県の推計人口が100万人を割り込み、若者の県外流出が課題となる中、加藤さんは「学生としての目線を大切にし、県内企業に目を向けるきっかけをつくっていきたい」と意気込んだ。

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