アパートの各フロアを案内する本編映像 主演クォン・ヘヒョからメッセージも 映画「WALK UP」

2024年6月28日より劇場公開される、韓国のホン・サンス監督の長編第28作目となる映画「WALK UP」から、主演のクォン・ヘヒョの動画メッセージ付き本編映像が公開された。

本編映像は、インテリアデザイナーのヘオク(イ・ヘヨン)が、著名な映画監督ビョンス(クォン・ヘヒョ)と彼の娘のジョンス(パク・ミソ)に、彼女の所有するアパートの各フロアを案内するシーンが収められている。本作で重要なモチーフとなる、印象的な空間とインテリアを備えたアパートは、韓国の江南区に実際に存在するイタリアンレストランがロケ地となっている。このレストランの近くに住むホン・サンス監督が建物を見つけ、オーナーと知り合ったことから本作の着想を得たという。

またクォン・ヘヒョは、「日本の映画ファンのみなさんこんにちは。クォン・ヘヒョです。6月28日より私が主演したホン・サンス監督作品『WALK UP』が日本で公開されます。多くの日本の方々に観ていただきたいです。ありがとうございました。」とメッセージを送っている。

「WALK UP」は、ホン・サンス監督常連俳優のクォン・ヘヒョを主演に迎え、都会の一角にたたずむ4階建てのアパートを舞台にした、芸術家たちの4章の物語。韓国のホン・サンス監督にとって、長編第28作目となる。

本作を一足先に鑑賞した著名人によるコメントも公開された。コメントは以下の通り。

■光石研(俳優)
屋外と室内。下階と上階。繊細に描出する事で、絶妙な体感温度(映画)に!しかしクォン・へヒョさん、モテ過ぎだぜ!羨ましい!

■杉田協士(映画監督)
その街の名を知らない。どこかの路地裏に建つビルで地獄の階層を巡る人がいる。未来が語られる会話のなかに光州と済州という名だけは聴こえた。でも、門を一度くぐった彼がそのビルを出られる日はきっと来ない。

■竹田ダニエル(ライター・研究者)
窮屈で閉塞的な人生の世界線。「あの時こうしていれば、もしああしていれば」そんな後悔や希望も、穏やかかつユーモラスに、軽快に行き来する約90分。 登場人物たちの部屋を覗き見しながら、自分の人生も振り返らせられる。

■玉置周啓(MONO NO AWARE)
物語の転換点は、文字通り点である。その前後に延びる時間は日常線とでも呼べるだろう。この作品は日常線のみを描く。そして人はどれほど転換点を迎えようとも、日常線においてはいつも同じものを求めているのである。

■甫木元空(映画監督、ミュージシャン)
見る事のできない明日と戻る事のできない昨日を引きずりながら今日も自分の歩幅は少しづつ変化していく。現実は思っているより複雑でおかしみに満ち溢れていて、入り組んだ時制を巻き込みながらフレームの外に宇宙を見せる。ホン・サンスの映画は常に窓の外へと繋がっている。

■三嶋ひな(モデル)
夢?妄想?パラレルワールド?小さな四階建てビルの中で起こる出来事、不思議な時間の流れに迷い込みます。人の会話を勝手に覗き見してる気分になるほどのリアルな会話劇に見入ってしまいました。

■井戸沼紀美(上映と執筆 肌蹴る光線)
アパートの敷地内だけで撮られた他愛のない時間。酒を飲みふとベランダに出た時の柔らかな笑みに、なぜ人生を覗いた気になるのだろう。ホン・サンスは「映画みたい」という言葉の意味を軽やかに転覆させていく。

【作品情報】
WALK UP
2024年6月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺、Strangerほか全国順次公開
配給:ミモザフィルムズ
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