メルカつきまち建設の9年前…大正13年建造の旧築町市場ビル解体 1989(平成元)年6月 映像タイムマシーン“ユウガク”【長崎】

ちょっとひととき…懐かしい “昭和の長崎”を感じてみてください。
NBCライブラリーに残る映像で振り返ります。

長崎市民の食卓を支えてきた公設市場「旧築町市場ビル」の取り壊しが始まったのは、平成元年(1989年)6月のことでした。

まるで長崎港外にある軍艦島を思わせる、クラシカルな外観の鉄筋コンクリート建てのビル。建設当時としてはモダンな建造物だったに違いありません。

このビルは4階建てで大正13年(1924)に建てられました。

築町の地名は、海を埋め立てて築かれた町というところに由来しており、1571年のポルトガル人による長崎開港からしばらくしてできた、古い町のひとつです。

長崎名産の「からすみ」「蒲鉾店」「鯨肉専門店」などが軒を並べており、かつてはその日に獲れた新鮮な魚を路上で据え売りする女性の姿もよく見られました。

ビル解体前の1986(昭和61)年当時、1階の築町市場には鮮魚店を中心に69の店舗が入居。

2階以上は長崎市役所築町別館として市関係の14の団体が事務所などで利用していました。

この歴史ある建物の解体は老朽化に伴って行なわれたもので、重機が入って解体が始まりました。

建物が建て替えられる間、築町市場の店舗は近くの中央公園に設置した仮設市場で営業を続けました。

跡地に「メルカつきまち」が建設されたのは、この映像が撮影されてから9年後の1998(平成10)年9月でした。

メルカつきまちでは、地元で水揚げされた鮮魚のほか、長崎ならではのお総菜なども販売しており、旬の味に触れることができる人気スポットとなっています。

放送局が撮影した 長崎の映像を配信している『ユウガク』より

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