渋野日向子が“復活の全米”に続くメジャートップ10 不振から脱却宣言「これからが大事」

渋野日向子が完全復活へ歩みを進めている(撮影:南しずか)

<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 最終日◇23日◇サハリーCC(米ワシントン州)◇6731ヤード・パー72>

4打差の5位から出た渋野日向子は、最終日に3バーディ・2ボギー・1ダブルボギーの「73」。優勝争いの中で1つ落としたが、トータル2アンダー・7位タイで「全米女子オープン」の2位に続くトップ10入りを飾った。

ナイスパーセーブのスタートから、2番パー5でバーディを先行させた。だが、4番で3パットのボギー。バウンスバックを決めるも、7番ではグリーン右のバンカーから出せず、寄らず、入らずの4オン2パットのダブルボギーを喫する。8番では6メートルのチャンスにつけたが、またも3パットボギー。ハーフターン時点で首位と8打差がついた。

後半ではショットの調子を徐々に取り戻し、チャンスにつける回数も増えた。14番で6メートルを流し込んで3つ目のバーディ。だが、2メートルほどにつけた15番、17番パー3はパーどまり。「1個入ってくれればっていうのが後半はあったので、すごくもどかしかったです」。グリーン上で首をかしげるシーンも見られた。「もう少しできたな、と思う。悔しい」と唇をかんだ。

それでも、大事なサンデーバックナインをボギーフリーで駆け抜けた。「決め切れなかったのがもったいないけれど、そこからズルズルと行かなかったのがマシかな」。3日目も出だし4ホールで3オーバーを喫したが、最終日と同じく「73」まで戻した。些細(ささい)なことがきっかけで大崩れしてしまいそうなタフなセッティングの中、耐えることができたのは収穫だ。

今季序盤は苦しみ、全米女子オープンまでは出場9試合中予選落ち6回(うち1試合は予選カットなし)という状況だった。全米で“復活”の2位に食い込むと、このメジャーでも上位フィニッシュ。長いトンネルを抜けたようにも感じさせる。「そう思いたいし、そう思っていいとは思いますけど、 やっぱりこれからが大事。しっかり引き続き、やるべきことをやって、上位に行けるように頑張りたい」。“第二章”は幕を開けたばかり。ここから上昇気流に乗っていきたい。

「まだまだいけるなって思う部分はあった。これからもっと練習して頑張りたい」と、このシアトルでも気持ちは前向き。そして来週は勝みなみとの“黄金世代”ペアを組んでダブルス大会「ダウ選手権」に出場する。「めちゃくちゃ楽しんでやりたい」。押せ押せムードで突き進む。(文・笠井あかり)

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