Blackmagic Design導入事例:オーストラリアのインディーズ映画「Heart of the Man」の場合

Blackmagic Designによると、オーストラリアの新作インディーズ映画「Heart of the Man」の撮影にBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K ProおよびBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kデジタルフィルムカメラが使用されたという。

オーストラリア先住民の脚本家、監督、俳優、プロデューサーのデイビッド・クック氏によるデビュー作である同作は、自らのアイデンティティー、愛、苦悩、受け入れの概念を探求している。同氏自身の経験に基づいて作成された同作は、パーカー・リトル氏が演じる新進気鋭のアマチュアボクサー、クリス・ワンドゥラが、父親を喜ばせるか、自分の心に従うかで悩む姿を描いている。この青春物語はブリスベンとクイーンズランド州の小さな町ワーウィックで撮影され、その真実味と深い感情の表現ですでに観客を魅了しているという。

予算と制作期間が限られていたことから、同氏は同作の撮影に当初よりBlackmagic Designのカメラを使用することを断固として主張した。多くのシーンが日の出や日没に撮影されたため、太陽に合わせて作業する必要があり、屋外でのランニングやトレーニングのショットが多数撮影された。Pocket Cinema Camera 6K Proにより、少人数のスタッフがすばやく移動でき、ラン&ガンでの撮影であったにも関わらず、画質に妥協する必要はなかったという。

撮影監督のネイサン・ジャーミン氏は、Blackmagic Designのカメラの軽さと可搬性の高さに感心したとコメントしている。

ジャーミン氏:本作の主な課題は、現場間を何時間も移動することが多い中、一貫したルックと感覚を維持することでした。つまり、セットアップにあまり時間が掛けられず、現場に到着したら数テイクで収める必要がありました。

そのため、最初のショットで優れた映像が得られる、信頼できるカメラが必要でした。ジンバルに載せたり、外したりすることで時間が掛かることが多いのですが、Blackmagicのカメラではジンバルに載せたままにしておくことができ、必要な瞬間にすぐに撮影できました。

クック氏は、重要なショットのルックについて明確なビジョンを持っており、90年代半ばのレトロな空気感を再現することを目指していた。それ以外は、実験の余地をたくさん残していた。また、スタッフ数が少ないため、全員が試行錯誤のプロセスに関われることを意味していた。

ジャーミン氏:本当に面白い撮影でした。スタッフが少ないということは、自分の職務以外の作業をしなければならないことを意味します。作業を進めながらいろいろと割り出し、そこから素晴らしいものを得られました。

同作では照明の予算が限られていたので、Pocket Cinema Camera 6K ProのデュアルネイティブISOのおかげで、低照明条件での撮影で非常に大きな利点が得られた。驚いたことに、同作のボクシングリングは、ブリスベン中心部にある商業施設が立ち並ぶ、屋外で撮影されたという。すでに90年代初頭の雰囲気を醸し出しているため、セットは必要なかったが、屋外での撮影にはいくつかの課題が生じた。

ジャーミン氏:屋外の照明の多くは制御できず、日の出時の光も上手く管理する必要があったので、光のバランスを取る上でいくつか問題が起きました。本作の残りの部分が持つ90年代の雰囲気に合わせて、輝きを与え、照明をできるだけ柔らかく保つように努めました。

以前にBlackmagic Designのカメラを使用したことがあったので、本作でも頼りにできるとわかっていました。同等の製品と比べて遥かに小さく、作品は美しい出来になりました。撮影に可動性が必要な方にお勧めします。

© 株式会社プロニュース