昔と今で大きく変わった『猫事情』5選 猫の暮らし、前より良くなっている?

1.食事内容

ペットフードが普及される前、猫は人間のご飯を食べていました。「猫まんま」という言葉があるように、猫はご飯にかつおぶしを混ぜたり味噌汁をかけたり、というような食事を与えられていたのです。

日本の市場にキャットフード(ドライフード)が登場したのは昭和後期のこと。しかし現代の商品と比べると、とても「猫専用の食事」とはいいがたい内容でした。そこから歳月を経て、猫に不要な成分が除去されたり必要な栄養素を加えたり、キャットフードも進化していったのです。

現在のキャットフードは、グレインフリーやタウリン配合など、猫に不要なものは除き、必要な栄養をプラス。「毛玉ケア」や「消化器の悩み」など年齢や体質に合わせた種類も多数あり、猫の食事の質は確実に向上しています。

おやつやサプリメントというような嗜好品や健康促進を補助する商品も豊富なので、猫の食生活はこの30年でも激変していると考えられるでしょう。

2.健康情報の意識向上

日本にインターネットが普及しはじめたのは、ちょうど平成に入ったころ。平成の後半にはスマートフォンが普及し、情報社会となってからは猫の情報収集が容易になりました。

猫の食事やお世話の方法、病気のサインなど、これまで獣医や書籍から得ていた猫の情報を、比較的簡単に入手できるようになったのです。

そのおかげで、歯磨きや耳掃除というような猫の身体のあらゆるメンテナンスや定期健診など、昔と比べて現代の飼い主さんは知識が豊富になりました。猫の健康を維持するための努力もしています。

猫にとって通院やメンテナンスは嬉しいものではありませんが、病気やケガのリスクが減り、体調不良からの回復が速やかであることは、「暮らしが良くなっている」という表現で間違いないでしょう。

3.完全室内飼育の徹底

昭和までは、猫を自宅から外に出して飼う人も多かったはずです。それは江戸時代の初期に、猫にねずみを捕獲させるために出された「猫放し飼い条例」の名残なのかもしれませんが、現代にはマッチしません。糞尿や鳴き声など、近隣住民に迷惑がかかるからです。

猫の放し飼いについて法律で禁止されているわけではありませんが、環境省において室内飼いが推奨され、また迷惑行為となりうる注意喚起もなされています。

そのような時代背景によってか、猫を完全室内飼育とする家庭は近年増加しています。平成13年には室内飼いの割合は5割弱となり、平成29年には7割を越しました。今ではすっかり「猫は室内で飼うもの」という認識が根付いています。

室内で暮らす猫は、外に出る猫と比べてノミや感染症、事故などのリスクは大幅に軽減。健康面において「暮らしは良くなった」といえますね。

4.猫グッズの進化

室内飼いは猫の健康面が向上する反面、猫の運動不足解消やストレスが懸念されます。それらを軽減するために日々進化し続けているのが猫グッズです。

キャットタワーやオモチャ、便利アイテム、猫家具などその種類は多岐にわたります。

近年では猫がお留守番中ひとりでも遊べる自動のおもちゃや、まるでランニングマシーンのように歩き続けられる最新アイテムや、猫の興味をひくアプリも存在しています。「猫じゃらし」にも画期的なものがたくさんあるので、家の中でも楽しく過ごせている猫も多いでしょう。

5.飼い主の意識変化

昔は人間にとって、猫は「ペット」という感覚でした。しかし、最近では猫のことを「家族」と表現し、「エサ」とは言わず「食事」と言う飼い主さんが増えています。

またSNSでは、猫を自分よりも高い位置の「猫様」とし、自分のことを「下僕」「しもべ」と表現する人も。それほど人間に大切にされている猫なので、その暮らしがかつてよりも良くなっているのは明らかですよね。

まとめ

今回は、昔と今で大きく変わった「猫事情」について解説しました。

猫の平均寿命は、昭和後半から令和にかけて3倍以上も長くなっています。それは先述したように、食事の質向上や情報の普及、完全室内飼育などにより、猫の暮らしが向上した結果であるとされています。

また、猫の譲渡数は平成初期と比べると10倍以上で、それは猫に対する人間の意識の表れです。

遠い過去には野生の生活をしていた猫ですが、現代社会ではすっかり人間の家族として順応しています。

昔より確実によくなっている「猫事情」、令和の今を生きる飼い主として、愛猫には引き続き良い猫生を送ってもらえるように努力していきたいところですね。

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