「ゴルフは難しい」 小祝さくらが11勝目から得た“学び”

最終ラウンドは「71」でまとめた(撮影/松本朝子)

◇国内女子◇アース・モンダミンカップ 最終日(24日)◇カメリアヒルズCC(千葉)◇6688yd(パー72)◇晴れ(観衆362人)

小祝さくらの過去10勝の内、最終日を単独首位で迎えての勝利は5回。逃げ切りVの経験は十分だった。「ここまで差がついてのファイナルラウンドだったので、本当に気を引き締めてやろうときのうの段階から考えていた」。今週は6打差のリードも油断はみじんもなかった…はずだった。

予備日を使った“月曜決着”も初めて経験。警戒してスタートした最終日は、「朝の練習場まではショットの調子も悪くなかったんですけど、コースに出てからおかしくなった」。3番、135ydの2打目でパーオンを逃し、アプローチも寄せられずにボギーを先行すると、その後はハーフターンを挟んで10ホール連続パー。ショットの制御に苦しみスコアを伸ばせず、一時は2位に2打差まで詰められた。

この日はショットの制御に苦しんだという(撮影/松本朝子)

それでも、14番(パー5)で4mのバーディパットを決めると、15番では尾根を越える難しいラインの15mを沈めて2連続。差を4打に広げた。17番で2つ目のボギーをたたいたが、最終18番(パー5)は75ydの3打目を58度のウェッジで1.5mにつけてバーディで締めた。3月「ヤマハレディース葛城」に続く続く今季2勝目、ツアー11勝目をあげた。

3バーディ、2ボギー「71」でまとめての通算16アンダーは、2位の安田祐香と3打差。「勝ちたい気持ちがかなり強くて、その辺の集中力だったり、気持ちの作り方が難しかった。こういった差がある中でのゴルフは難しいんだなって改めて感じた」。新たな学びを得た11勝目だった。

気温は30度を超え。暑さとも戦った一日(撮影/松本朝子)

今季、目標の1つに据えていた「シーズン複数回優勝」を達成し、次は念願の「国内メジャー初優勝」を狙う。また、この優勝で現在45位(17日付)の世界ランキングも上昇。今季の海外メジャー残り2戦「アムンディ エビアン選手権」(7月11日開幕/フランス・エビアンリゾートGC)と「AIG女子オープン(全英女子)」(8月22日開幕/スコットランド・セントアンドリュース オールドコース)の出場権獲得もほぼ確実だが、「エビアン選手権」は欠場予定。「全英女子」は移動のスケジュールを考慮して前週「CAT Ladies」を欠場。今大会まで“223試合皆勤”の連続出場が続いているが、そこで途切れることになりそうだ。

「CATを終わってから行くことも考えたけど、最終日の夜に出発しても練習ラウンドがあまりできないみたいなので、そう考えるとバタバタの中で無理やり行くよりもCATをお休みしようかと。そうすれば調整もしっかりできるので」。3週前の「全米女子オープン」では9位に入っており、上位進出の期待も膨らむ。

ウィニングパットを決めて小畑貴宏キャディ(右)とハイタッチ(撮影/松本朝子)

「まずは国内メジャー制覇を目標に。全英もまずは予選通過を目指したい。イギリスは初めて行くので楽しみです」。5日間戦った疲れを全く感じさせない笑顔で締めくくった。(千葉県袖ケ浦市/内山孝志朗)

<海外メジャー2戦 世界ランキングでの出場資格>
■「アムンディ エビアン選手権」
2024年6月25日時点で世界ランキング50位までの者

■「AIG女子オープン」
2024年7月8日時点で世界ランキング50位までの者

最終日は晴天に恵まれた(撮影/松本朝子)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン