表情と柄のギャップが魅力 讃岐一刀彫の「POPだるま」が2年待ちの人気 香川・琴平町

香川県の琴平町に、ボーダー柄やドット柄などデザインが魅力的なPOPだるまがあります。羽田空港の、ブランドショップにも登場しました。

(羽田未来総合研究所 地方創生事業部/中村良枝さん)
「日本を旅行してきて見たことのないものとまたここで出会っているという感激が、すごく聞こえてきます」

2023年12月、羽田空港・第3ターミナルの出国エリアにオープンした「JAPAN MASTERY COLLECTION」です。「日本各地の優れた素材・技術・感性を100年後も存続させる」をコンセプトに、全国から集めた工芸品など約400点を販売しています。

(外国人観光客)
「全部が可愛らしい」

こちらは香川県の伝統工芸品、「讃岐一刀彫」のだるまです。彩られたポップな柄が目を引きます。

(羽田未来総合研究所 地方創生事業部/中村良枝さん)
「次のオーダーもしてるんですけど1つ1つ丁寧に顔をつくって色を染めていただくので一度いれた商品はすべて売れております」

このだるまを作っている店が香川県琴平町にあります。創業100年を超える讃岐一刀彫の店、「山中象堂」です。

樹齢100年以上のクスノキを材料に、ノミの削り跡を生かして彫り上げる讃岐一刀彫は、その力強さが魅力です。

そんな中、ボーダー柄やドット柄などだるまの顔とデザインのギャップが魅力的な「POPだるま」を作り始めたのは約12年前だそうです。

(山中象堂/山中竹志さん)
「娘が美術大学を出て帰ってきて店を手伝おうということになったんですけど、そしたら県産品コンクールというのがあるから何か新作つくって出してみようと挑戦するといいかなと娘が考えた」

山中さんがだるまを彫り、娘の希さんが色付けする。親子で作った「POPだるま」はかわいらしい姿が評判に。

価格は1個1万円から。電話やメールで注文を受け付けていますが、1個つくるのに1週間ほどかかるため、今、注文すると2年待ちだそうです。

(篠原茉那リポート)
「POPだるまですが、こちらで粗削りをしたあとは、こちらで表情など細かい部分を削っていくということです」

(山中象堂/山中竹志さん)
「できるだけ丸いかわいい感じに彫ろうとしていますね。もともと一刀彫だったら粗いタッチで彫ったりするんですけど、それだと絵が描きにくいというのもあって」

そんな「POPだるま」がバイヤーの目に留まり、羽田空港で販売することに。約2年かけて準備してきました。

そこには日本の伝統工芸品の魅力を海外の方に届けたいという思いもあったそうです。

(山中象堂/山中竹志さん)
「うれしいことですね。外国人もだるまという日本的なものを気に入ってくれたんやと思う。その人の思いが飾られる。『良かったですよ』と言われるとうれしい気持ちになる。予約がいっぱい入っているので早く終わらしてみなさんに幸せを届けたい」

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